【IMPRESSION】
K-FACTORY KATANA
発売直後に即フルカスタム! の新KATANA!!

新型KATANAの発売から3日後の2019年6月2日、早速、筑波サーキット・コース1000にその姿を現したKファクトリーのKATANAカスタム。ウィズミープロフェッショナルレーシングを主宰する丸山 浩さんは、ディーラーで受け取ったKATANAをKファクトリーに運搬する役も担い、いち早くノーマル車の乗り味も確認済みだった。そんな丸山さんのライディングで、その変化のほどをここで改めて解説してもらおう。

取材協力:ケイファクトリー TEL072-924-3967 〒581-0815大阪府八尾市宮町5-7-3 https://www.k-factory.com/
Report:丸山 浩/Photos:赤松 孝


一昼夜で大改造! パーツメーカーの本気を見た!

スズキKATANAの発売日翌日である5月31日、私・丸山はヘルメットを抱えて大阪行きの新幹線に乗った。目的はその新型KATANAの搬送。大阪駅近くで車両を受け取り、それを八尾市のKファクトリーまで自走で届けるのだ。KATANAに乗るのはこれが初めてだが、発売日の翌日に試乗できるとは、何と恵まれているのだろう。新型のデザインは発売前から賛否両論出たが、私は別に昔と同じじゃなくってもいいじゃん派。乗ってコクピットまわりを眺めても、新しくていいじゃないかと思える。

Kファクトリーに着いたKATANAは速攻でバラバラにされて一昼夜で変貌を遂げ、翌々日の6月2日には筑波サーキット・コース1000で改めて試乗できることとなった。

しかしどうだ、Kファクトリー仕様の元祖カタナらしいことよ!

サーキットを走らせればその鋭さが際立ち、ウイリーも実に絵になる。

カスタムポイントのひとつは、スクリーン。これで新型の角張ったロボット顔が一変して、元祖カタナ顔になった。もうひとつのポイントは、リヤのナンバーステーだ。近頃のトレンドに倣ってショートでコンパクトなベースのシートカウル。これを長く見せるのが狙いなんだそうだが、これを複数プレートの造形で表現するとは。実は製作時に型紙を起こす作業から見ていたのだが、完成するまで何を作っているのか、さっぱり分からなかった。しかし出来上がって実感。うん、シートが長くてこそカタナなんじゃないだろうか。

ポジションは、ノーマルよりも低いバーハンドル&バックステップとし、よりフロントに荷重を乗せられるスポーツ路線。

サラッと書いたが実は新型、ただハンドルを下げるだけでは途端にステアリングの切れ角がなくなってしまう。ネックはハンドルまわりの造形だ。ではこの車両はどうなっているかというと、ステムがまるごとオリジナル品に交換されているのだ。このローハンドル化、結構大掛かりなものなのである。加えて足まわりは、ノーマルのディメンションを保ちつつ前後オーリンズに換わった。攻め込んだ上での旋回性もグリップ力も、ともに向上している。

最大出力は148馬力と高いながらも、ストリートでも扱いやすい比較的穏やかなレスポンスだったエンジンは、フルエキへの換装により、コーナー立ち上がりからウイリーできるほどピックアップの良い性格となった。これによって軽量化も果たしているのだが、さらにカーボンホイールをチョイスし、全体的に軽くてシャープなハンドリングが実現。走りのイメージが、かなりスポーツバイクに近づいたマシンとなった。

今回のKファクトリー仕様はスポーツ路線でのカスタムだったが、元の良さも生きている。カスタムが映えるのだ。この素質ならば、ツアラー路線でもストリートファイター路線でも、いかようにもイジって遊べるのではないだろうか。スズキが満を持して世に送り出した新型KATANAは、むしろ素材としてのポテンシャルが魅力となったようだ。

 

Detailed Description【詳細説明】



オーリンズフォークをマウントするためにステアリングステムも変更(写真は試作品。現在は製品としてオーリンズ倒立フォーク対応品が発売済み。15万5000円+税)、マジカルレーシング製ハンドルバーを低めにセット。ノーマル対応でハンドルバーが車体前に行くトップブリッジ(4万5000円+税)も発売済みだ。スクリーンは空冷カタナ用、レバーガードやバーエンドもKファクトリーで製品化されている。



ステップキットは試乗後に市販品を開発。20/30㎜バック×0/10㎜アップでノーマルマフラーにも対応する。価格は5万5000円+税。プレートを組み合わせたナンバーホルダーも秀逸なデザインだ。



リヤサスもオーリンズに変更されている。排気システムは同社のオールチタン4-1の「CLR-RG+ チタンフルエキゾースト ヘキサゴンサイレンサー(JMCA認証)」を装着。24万5000円。ホイールはマジカルレーシング扱いのBSTカーボンを履く。

取材協力:ケイファクトリー TEL072-924-3967 〒581-0815大阪府八尾市宮町5-7-3 https://www.k-factory.com/

 

※本企画はHeritage&Legends 2019年9月号内『SUZUKI NEW KATANAカスタムズ』に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

丸山 浩

国際A級ライダーとして全日本ロードレースや鈴鹿8時間耐久などの参戦経験を持つ。株式会社WITH MEの代表としてモータースポーツ文化を広めながら、雑誌、TV、YouTubeなどでモータージャーナリストとしても活躍中。