カワサキ250cc4気筒モデルヒストリー/Part2・ネイキッド編

250クラスにも4気筒ネイキッドの世界を開いた

小排気量多気筒エンジンは日本メーカーのお家芸だった。レーサーレプリカ全盛時には市販車を元にレースをすることは当たり前で、ベースモデルにも力が入る。そんなレーサーレプリカから生まれたカワサキ4気筒250ccネイキッドモデル、BALIUS(バリウス)の足跡を紹介しよう。Part1のレーサーレプリカ編はコチラ

 

■1991/BALIUS(ZR250A1)

レプリカZXRのエンジンを前後17インチや鋼管ダブルクレードルに組み合わせる

BALIUS(ZR250A1)

ゼファー(400)で開いたネイキッドの世界を250にもと“マインドトリップ”をキーワードに作られたのがバリオス(ギリシャ神話のアキレスの馬の名前)。’91年型ZXR250のエンジンを元にクランクのフライホイールマスを23%増し、バルブタイミングを中低速寄りにした(45ps/15000rpm)。フレームは鋼管ダブルクレードルでフロントフォークはφ39㎜正立、アルミスイングアームにキャブレターはCVKD30で6速、前後17インチ。乾燥141kgの車体をきびきび走らせた。

 

■1992/BALIUS(ZR250A2)、1993/BALIUS(ZR250A3)、1994/BALIUS(ZR250A4)、1995/BALIUS(ZR250A5)

1992/BALIUS(ZR250A2)

1993/BALIUS(ZR250A3)40psに出力改訂

1994/BALIUS(ZR250A4)

1995/BALIUS(ZR250A5)

’93年型A3では出力上限自主規制により40ps/15000rpmに。’95年型A5ではメーター中央に燃料計、またハザードランプも追加した。ほか、カラーリングも毎年のように変更した。タンクエンブレムは立体の馬とBALIUSロゴだ。

 

■1996/BALIUS Limited(ZR250A6)

1996年中盤には限定1000台で初のツートーンカラー=レッド×ホワイトが追加された。ラジエーターシュラウドまで赤色で塗られ、タンクロゴはBALIUSを書き文字風に入れた。

 

■1997/BALIUS-II(ZR250B1)

2本サス化とポジション変更でネイキッドらしさを高める

BALIUS-II(ZR250B1)

登場から6年を経たバリオスは大幅変更を受けてバリオスIIとなる。リヤサスをモノ→SHOWAツインとし、シート下に大型収納スペースを設定。ライディングポジションもハンドルグリップ部で20㎜高く45㎜手前に、ステップを10㎜前/15㎜下としてリラックスした乗車姿勢とした。φ49×33.1㎜の249㏄エンジンは40ps/15000rpmを発揮するが、CVKD30キャブへのK-TRIC追加等で日常の使い勝手を重視。タンクロゴも跳ね馬から走り馬に変更された。

 

変則ツートーン仕様も設定

BALIUS-II(ZR250B1)

レギュラーモデル登場からほどなくして加わった限定ツートーンカラー。右から見ると写真のように緑→赤だが、左から見ると前半分が赤で後ろが緑という反転配色。2本サス化を象徴的に表したかのようだった。

 

■2000/BALIUS-II(ZR250B4)、2001/BALIUS-II(ZR250B5)、2002/BALIUS-II(ZR250B6)、2004/BALIUS-II(ZR250B8)、2005/BALIUS-II(ZR250B9)、2006/BALIUS-II(ZR250B6F)、2007/BALIUS-II(ZR250B7F)

2000/BALIUS-II(ZR250B4)


2001/BALIUS-II(ZR250B5)


2002/BALIUS-II(ZR250B6)排出ガス規制適合


2004/BALIUS-II(ZR250B8)


2005/BALIUS-II(ZR250B9)


2006/BALIUS-II(ZR250B6F)型式コード変更


2007/BALIUS-II(ZR250B7F)シリーズの最終型

ツートーンカラー追加以降のバリオスIIは単色でカラーチェンジしていく(写真は各年式での代表的なもの)。2001年型ではブラックにゴールドホイールを採用。2002年型では排出ガス規制が入り型式の先頭に「BA-」が付くZR250B6に。’06年型では型式コードが変わり、’07年型で終了を迎える。

 

「カワサキ250cc4気筒モデルヒストリー/Part2のネイキッド編」はここまで!

「カワサキ250cc4気筒モデルヒストリー/Part1・レーサーレプリカ編」はコチラ

※本企画はHeritage&Legends 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
バックナンバーの購入は、https://handlmag.official.ec/ で!

WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。