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GoGo2ストローク ヤマハTZR250編(第24回目)
レポート:中村友彦

秘密兵器?! OSR-CDI装着でついに50psオーバーだ!

2020年 2月 12日

吸排気系やポートなどにいろいろと手を加えても、なかなかパワーアップが実現できなかった僕のヤマハTZR250(1KT)。ところが、2019年5月に入手した現代の点火ユニット、OSR-CDIのセットアップを進めることで、ついに念願だった50psの壁を破ることができたのだ!


今回のテーマは点火時期とYPVSのセットアップ。本題の前に大前提の話をしておくと、僕のヤマハTZR250(1KT)のベスト後輪出力は49㎰で、5月から新たに装着したOSR-CDI(このところ、ヤマハ2スト好きの間で話題になっている、自作が前提のCDIユニット)には、50㎰超えを期待していた。でも前号でお伝えした通り、Ver.1の結果はいまひとつ。その事実を、製作者のシゲテック・小山さんに報告したところ、即座にVer.2を作ってもらえたのだが……。

当連載で以前からお世話になっている、リアライズでそのVer.2でのパワーチェックをしてみると、過去最高の49.8㎰という数値を記録したものの、8000~1万rpmのパワーカーブは、Ver.1と同様にノーマルを下回っていた。これはどうしたものかと思い、再び小山さんに相談。そうしたらなんと、小山さんとOSR-CDIの発案・設計者である石谷さんが、直々にセットアップしてくれると言うのだ。

数日後、リアライズで行ったセットアップは、驚くほどサクサク進んだ。まずは小山さんが1番気筒の上死点を出したうえで、フライホイールの外周に角度を記し、タイミングライトで現状の点火時期を調べると、3度も遅れていることが発覚。そして石谷さんがタブレットを用いて点火時期全体を3度進めたところ、僕史上初の50㎰台をあっさりマークできたのだ。ちなみにOSR-CDIには2種のマップが入っていて、今回使ったのは、かつてミハラスペシャリティがヤマハR1-Z用に販売した、レーシングCDIを再現したマップだ。

もっとも、中回転域は依然としてノーマルを下回っていたのだけれど、小山さんと石谷さんが相談しながらYPVSの開閉タイミングをアレコレ試してみた結果(ガバッと開いてジワッと閉じる、などという調整も可能)、ノーマルを見事に上回るパワーカーブを実現。そして最後の味付けに、点火時期全体をさらに3度進めてみたら、最高出力が51㎰にまで向上したのだ。以下は今回のテストに協力してくれた、3人の感想。

「今回はここまでですが、点火マップもYPVSの開閉タイミングも、走行状況や仕様に応じて煮詰めの余地はあるでしょう。調整はタブレットで簡単にできますから、中村さんにもぜひ、挑戦してほしいですね」(石谷さん)

「さらなるパワーが必要なら、チャンバーの変更を考慮するべきかもしれません。現状のチャンバーが悪いわけではないですが、個人的には、もっと容量が欲しい気がします」(シゲテック・小山さん)

「今回のテストはムチャクチャ面白かったですね(笑)。ウチではこれまでにいろいろな点火ユニットを扱ってきましたが、OSRのいじりやすさは特筆するべきものがあると思います。なお今回のテストは、実は条件が過去最悪だったんですよ。湿度が76%もありましたから。逆に条件がよければ、52~53㎰は出たんじゃないでしょうか」(リアライズ・道岡さん)

テストから一週間後、セットアップが進んだOSR-CDIの効能を確認するべく、僕は主戦場の筑波サーキット・コース2000に出かけてみた。残念ながらラップタイマーが不調だったため、どのくらい速くなったかは分からなかったけれど、回転上昇のスピードは激変。従来のスプロケではショートすぎるようで、至るところでエンジンが吹け切ってしまった。と言うことは、ファイナルをきっちり合わせれば、念願の6秒台が実現できるんじゃないだろうか?  結果は次回以降で紹介したい。

【 GoGo!! 2ストローク記事一覧はこちら!! 】

1KTを囲んで2スト談義に花を咲かせる3人は、右:OSR-CDIの発案・設計者の石谷さん、中央:リアライズの道岡さん、左:ヤマハ2ストのチューニングを得意とするシゲテックの小山さんだ。

小山さんが製作したIKT用OSR-CDIのVer.2は、“SHIGETEC”のロゴ入り。その下に見えるUSBポートとタブレットをケーブルでつないで、点火マップとYPVSの開閉タイミングを調整するシステムなのだ。

内部の基盤はこんな配置。詳細を知りたい方はhttp://rilassaru.blog.jp/archives/1895265.htmlをご覧ください。ちなみに石谷さんによると、小山さんのハンダづけは、とてつもなく丁寧らしい。

フライホイールに角度を記して、現状の点火時期を確認。まさか3度も遅れていたとは……。

OSR-CDI Ver.2の初期状態と、ノーマルCDIの比較。最高出力はVer.2のほうが高いのだけれど、8000~10000rpmの出力はノーマルCDIが優勢だ。

点火時期のゼロ点を合わせたら、あっさり50ps台をマーク。続いてYPVSの開閉タイミングを調整していくと、ミッドレンジのパワーカーブが変化した。

最終的に点火時期を3度進めたら、ピークパワーが51psに。しかも9000rpm前後の谷も消えた。

セットアップ画面。上が点火時期で、下がYPVS。これはVer.2の初期状態で、青:1KTのノーマル、赤:かつてのミハラ製を再現したマップを示している。

青いラインが今回の最終仕様。ミハラ製をベースに、点火時期とYPVSの両方に変更を加えてある。

WRITER

中村友彦

二輪雑誌編集部員を経て独立し、現在フリーのモータージャーナリストとして活動中。クラシックバイクから最新モデルまでジャンルや新旧を問わず乗りこなし解説する。カスタムやレースにも深く興味を持ち、サンデーレースにも参戦する。

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