2021 JD-STER Round3レポート12

2021 JD-STER Round3レポート

今季から茨城県城里町のJARI(財団法人日本自動車研究所)城里テストセンターに会場を移したJD-STERドラッグレース。7月18日に開かれた第3戦は全6戦中の前半を締め括る大事な1戦だ。フタを開ければ、ポイント制でチャンピオンを争うプロオープン、オープントーナメントA、VSBプロとストリート、H-D、ストリートETの6クラスの上位は、そのポイントが急接近。混沌のままシリーズ後半に突入することとなった。

前半戦終了で各クラス上位の戦いはヒートアップ!

例年+1戦、年間6戦開催となった今季、7月18日の第3戦は、各戦のポイントでシリーズチャンピオンを決めるクラスでは、シリーズ前半を締め括る重要な1戦だ。

中でもトップカテゴリーとなるプロオープンクラスのランキング争いは、前戦・第2戦まででトップの田辺康彦選手(ZX-14R)の164ポイントを筆頭に、以下、2位の白田文博選手(ハヤブサ)・146P、3位の阿部嵩大選手(ローリングシャシー=ドラッグレース専用シャシーのGSX-R)・120Pによる三つ巴の感。田辺は2019年、白田は2018年、阿部は昨年の同クラスチャンピオンと、いずれも実績あるライダーたちだ。今季は第1戦は白田が、第2戦は田辺が優勝、阿部はその2戦で上位入賞を重ね、ポイントを積み上げた。第3戦は順当に並んで見えた3人の内、誰が? というのが興味の対象だった。

そんなチャンピオン争いに割って入ったのは、第3戦で勝者となった阿部 巌選手(GSX-R)。嵩大選手の父にして大ベテラン、かつての全日本ドラッグレース選手権開催時は’05/’06年と2年連続でプロストックバイククラスで王者に輝いた。こちらも実力者だ。決勝トーナメントではベストET(エラプストタイム、0→1/4マイルの区間タイム。実際のレースではこれにRT=リアクションタイムが加わり勝敗が決まる)8秒798を叩き出し優勝。JARIでのレコードは第2戦・白田の記録したET:8秒551だが、7月の35℃前後の高温下での記録として見れば上々。阿部 巌自身も「ようやくJARIのセッティングの傾向が掴めた」と、意気軒昂。

ランキング争いに目を戻せば、この第3戦を終えて、白田がトップで224P、ランク2位はそれまでの4位からジャンプアップした阿部 巌で213P、3位は田辺の201P。阿部嵩大選手はマシントラブルで決勝1回戦で敗退。ランク4位に沈んだ。

ところがそんな白熱の争いも、8月22日に開催予定だった第4戦がコロナウィルス感染拡大状況を鑑みての急遽キャンセルで、水を差される形に。結果、残るは2戦。誰が最高峰クラスのチャンプの座を掴み取るか? マシンとライダーの実力が伯仲する同クラス、これからの戦いも必見だ。次戦は9/ 29 の第5戦。トップバトルをぜひアナタの目で!

 

PRO OPENクラス

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プロオープンクラス・トーナメント決勝。上段写真、左が優勝の阿部巌+GSX-R。タイムは8秒963(RT:0秒165+ET:8秒798)で、右・白田文博(ハヤブサ)の9秒142(RT:0秒318+ET:8秒824)をスタートから圧倒! ランキングも2位に浮上した。下写真・田辺康彦(ZX-14R)の決勝1回戦敗退もあり、3人のポイントは急接近! 次戦は誰が勝者に?

 

OPEN TOURNAMENT Aクラス

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プロオープンに限らず、シリーズポイントを争う各クラスとも、今回は激戦だらけ。オープントーナメントAクラスは手前、武部文栄(ZX-14R・220P)が今季初優勝。第2戦で優勝の矢嶋晴也(写真下)と2強状態。

 

STREET E.T.クラス

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ストリートE.T.はランキングでは小橋清隆が独走。今回優勝の前田憲明(下写真、BMW S1000RR・121P)がこの先どこまで詰められるかに注目。

 

VSB STREETクラス

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VSBストリートのランクトップには仲見川二三雄(手前・KZ1000・191P)が着実なポイント積み上げ+優勝で浮上。

 

VSB PROクラス

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VSBプロは開幕2連勝の勢いで写真手前の阿部崇が283Pを獲得、ポイントトップを独走中。この第3戦は奥の小松崎 明(Z750FX)が優勝。

 

H-Dクラス

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H-Dクラスのポイント争いは、共にレース専用マシンのDESTROYERに乗る陶山慎治(写真・142P)と金澤修二(122P)の一騎打ち状態だが、この第3戦はFXDXに乗る大杉夕奈が優勝をさらった。

※すべて敬称略。掲載のポイントはいずれも第3戦終了時のものです。

 

レース以外も1日楽しめるのがJD-STER

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お昼休みは観客向けにNO LIMIT JAPANのエクストリームショー、RSCによるサイドカーデモラン、スタート方法説明会を開催。メニュー豊富なキッチンカーやメーカー&ショップ、地元からの出展もあって、ドラッグレースを知らずに来ても1日、会場で過ごせる配慮が多数。

※本企画はHeritage&Legends 2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです。
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WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。