スズキ・時代に合わせて楽しめる新旧カタナ

スズキ・時代に合わせて楽しめる新旧カタナ(KATANA)

新しい時代のストリートスポーツとして、登場したスズキのカタナ(KATANA)。現代流のブラッシュアップを受けた新型への期待も高いが、デザインアイコンとなったヘリテイジ、元祖カタナ=空冷GSX1100Sの再認識も行われつつある。新型には期待をよせつつ、元祖の衰えない威光をどう今の時代に楽しむかを考えていこう。

時代に応じた解釈を受け現れた新KATANA

2018年10月のEICMAで発表され、国内でも発売されたニューKATANA(以後英字表記はこの新型、1100Sはカタカナ表記)。高いオールラウンド性で評価を得たGSX-S1000を元に、スズキのアイコンとしてのGSX1100Sカタナの外観を現代流に研ぎ直して送り出された。

1980年代初頭の4ストビッグバイク発展期には旗艦として、高速スポーツツアラーとしての役割が持たされたカタナだったが、以来40年近くが経ち、環境も、ニューKATANAに求められるものも変わってきた。バイクそのものの完成度が高まっているから、何に特化するべきか。これから先にKATANAブランドを築き上げる上で古びない装備とデザインはどうか。それらを総合したスズキの答えが、このモデルなのだ。

ミドルクラスよりも余裕があり、ステイタスも高い1000㏄で、MotoGPマシンにも通じる直列4気筒。パワーやライダーの操作をきっちり路面に伝えるアルミフレーム。アップハンドルはその操作に集中しつつ、無理を強いないために採用されている。 新しいデザインに、間違いのないスポーツバイクの作り込み。ここはカタナにも、KATANAにも共通した点と言っていい。

 

旗艦+独自形状で生まれた旧型カタナ

1976年のGS750、1978年のGS1000で4ストでも定評を得たスズキが1980年のIFMA(ケルンショー)にプロトタイプを出展、’81年末から’82年型GSX1100S[Z]として展開したのがGSX1100Sカタナ。GSを4バルブ化した旗艦GSX1100Eに独自の外装をまとった。数度の再生産を行い、2000年の1100台限定車、ファイナルエディション[SY]で生産を終了。1.85-19/2.50-17ホイールや1074.5㏄(φ72×66㎜、111ps[一部95or105ps])の直4エンジン等を備えた。

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▲1980 GSX1100S PROTOTYPE

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▲1982 GSX1100S KATANA

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▲2000 GSX1100S KATANA FINAL EDITION

求められたスタイルをストリートスポーツで表現した新型KATANA

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M0、つまり2020年型という扱いでのニューKATANA。キャスター25度、トレール100㎜、ホイールベース1460㎜にシート高825㎜という数値は現代スポーツモデルの標準と言っていい。ホイールサイズは3.50-17/6.00-17でタイヤは120/70ZR17・190/50ZR17。エンジンはGSX-R1000K5がルーツのGSX-S1000用直4・999㏄(φ73.4×59.0㎜)で149.6ps/10000rpm(輸出仕様のデータ)。車両重量215㎏も軽い部類で、扱いこなすことを重視している。タンク容量は12ℓ。

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※本企画はHeritage&Legends 2019年7月号に掲載されたものです。

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Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。