ユーザーニーズを満たすパーツ開発や塗装の見本に
「このCB750FBは当店のデモ車で、パーツ開発のドナーになってる車両です」とT.T.Rモータース代表の林さん。そのパーツとは……。
「クラッチが軽くなる“イージークラッチ”に、’21年春に当店と安田商会さん、沖縄のクラフトさんとで発売した“39パイCB-Fバーハンドルキット”、それから“ワンウェイクラッチ”加工や“CB750F純正キャリパー対応アルミピストンφ30用”があります」
そう言われて改めて車両各部を見ていくと、それらのパーツが備わっている。ハンドルキット(トップブリッジ)は写真では外されてノーマルが付いているが、ここも何度も変えてきた部分とのこと。そう言えばアルミ鋳物でクランプ部を作り、CB-F現役当時感を作り出す“AKUOSセパレートハンドルφ30~39mm”も、この車両で開発されたものだった。その時はホイールはVFR750F純正2.50-16/3.50-18ホイールを履いていたが……。
「現在は前後18インチのFC用ブーメランコムスターホイールを履いています。ゴールドのカラーは“アルマイト塗装”で仕上げています。パウダーコートなんですが、このようにアルマイト処理したような感じが出せます。リベットだけシルバーのままとか、CB750FBB純正のようなリムがシルバーでスポークがゴールドといった塗り分けもできるので、CB1100R等でレストアしたいという方にもお勧めです」
この塗装は耐久性も高く、ノーマルでアルマイト処理されているからと手が打てなかったCB-F/Rオーナーには朗報。もちろんT.T.Rモータースに作業依頼できる。前述のハンドルキットはφ35mm用が追加登場したが、これは冒頭のφ39mm用とはフォークピッチの違いがあり、苦労もしたようだ。
こんな背景を持つこのFB、パーツそれぞれだけでなく、CB-Fという車両がどんなものか、どう手を入れるかの見本にもなっているという。今後のパーツ展開も楽しみなところだ。
Detailed Description詳細説明
ヘッドライトはレイブリックでフロントマスターシリンダーはニッシン、ワイヤクラッチホルダーはCB-F純正。ウインカーも純正だ。
ハンドルはノーマルの鍛造セパレート・アップ。φ35mmフロントフォークのトップにはプリロード調整キャップがマウントされる。
シートはデイトナ製で、外観はオールペイント。フロントフォークやハンドル、ホイールなどは開発パーツに応じてその都度交換する。
ホイール変更にともなって速度計の取り出しをフロントスプロケットにするのはホンダ系定番。ステップはチェイスMC製をマウント。
エンジンはボアアップで823cc仕様に。逆の右側後端に付くクラッチレリーズレバーがTTRモータースオリジナルのイージークラッチだ。
キャプレターはTTRオリジナル仕様の他モデル純正流用品(ブラックエディション)。点火はウオタニSP2とするなどコンディション維持に配慮する。
フロントブレーキはノーマルで、片押しのφ30mmピストン・ブレーキキャリパーにはT.T.Rの「CB750F 純正キャリパー対応アルミピストンφ30用」が組み込まれる。硬質アルマイト+カチラスコート仕上げでタッチとコントロール性、整備性をそれぞれ高めているのがポイントだ。
スイングアームはCB-Fノーマルの丸パイプでショックはオーリンズ製。マフラーはマットブラック仕上げのショート管をセット。
前後ホイールは2.50-18/3.00-18サイズのFC用ブーメランコムスターで、T.T.Rによってゴールドアルマイト塗装仕上げされリフレッシュ済み。