今後も長く乗るための手入れが好ましい車両
ストライカーワークスによるカワサキ・ゼファー1100。A3がベースで、外装はA6Fのメタリックブルーオーシャン(青タイガー調ストライプパターン)が載る。そして見て分かるように前後17インチホイール化を初めとした足まわり変更と吸排気系変更が行われている。
「’94年型ですからもう25年以上乗ってらっしゃる車両なんです。今回はミッション不調で当店に入庫されたので、そこを修理。キャブレターも、オーナーさんが付き合いのある業者さんに依頼してオーバーホールしています」と、同店店長の鈴木さん。
前後サスの変更やホイールのアルミ鍛造化、マフラー変更等のメニューとも相まって車体は大きさを感じさせないほど軽く、ポジションもフィット感が良く良好な操作感が得られている。少し乗ってみると、スムーズなピックアップとリッター空冷4発らしい力強い吹け上がり感が同居し、車体側は現代17インチ車のようなハンドリングを見せる。
「キャブレターのオーバーホール効果でしょう。口径もあえてφ36mmと絞り気味の選択ですが、それによってもフィーリングが良くなっていると思います。車体に関しては定番と言えば定番の仕立てで作り込んでいます。
そしてリヤタイヤは今、60扁平(ゼファー1100ノーマルはフロント18/リヤ17インチでリヤタイヤサイズは170/60となっているが、17インチ化した場合は180/55や190/55を履くことが多い)になっています。60扁平はエアボリュームも大きく、見た目も太さが強調されるので、そのあたりで今風な感じも出ているかもしれません」と鈴木さん。幅広い車両を扱う中で自然と多く集まるというカワサキ空冷・水冷への経験、そして新しい車両や動きへの目配りがこうして生かされているというわけだ。
「おそらくオーナーさんはこの車両に乗り続けるはずですが、今後は純正パーツをどうするかなどが課題でしょうか」とも鈴木さん。しっかりした作り込みと整備が25年超を好調で支えてきた裏付けがあるから、将来的にもその課題を乗り越えて楽しまれるだろう、そう思わせてくれる1台となっているのだ。
Detailed Description詳細説明
メーターはノーマルのままでヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加。左右マスターはブレンボ・ラジアル。ステアリングステムはギルドデザイン製だ。
ベースは'94年型A3で、燃料タンクなど外装は'06年型A6Fに換装されている。サイドカバーエンブレムはA3含む前期型用を装着してある。
1062cc仕様の空冷直4エンジンはノーマルながらコンディションは良好。今回は2速が入らないということでミッションの整備を行った(主因はギヤでなくシフトフォークだった)。スプロケットカバーはコワース製。ゼファー1100のクラッチはノーマルも油圧駆動だ。
TMR-MJNのエンブレムが見えるキャブレターはMJNをいわゆる針式の通常版TMRに加工して使い、今回オーバーホールした。口径はφ36mmをチョイス。
フロントフォークはオーリンズφ43mmで、フロントブレーキはブレンボ4ピストンキャリパー+クレバーウルフ製キャリパーサポート+サンスターディスク。フロントフェンダーはストライカー・SADカーボン。タイヤはピレリ・ディアブロロッソコルサ2を履く。
スイングアームはゼファー1100ノーマルでマフラーはストライカー・チタン。前後ホイールはマルケジーニM10RSで3.50-17/5.50-17サイズだ。