エンジン換装と17インチ適合車体の利点を理解して依頼
「久々のRCM Ninjaフォーミュラパッケージとなりました」と、ACサンクチュアリーの中村さんが言うNinja。RCMは同店のコンプリートカスタム(Radical Construction Manufacture)。「RCM Ninjaフォーミュラパッケージ」とは、前後17インチの現代タイヤを履き、各部をアップデートしつつGPZ900Rエンジンを積む「RCM NinjaニューType-R」に対し、GPZ1100やZRX1100/1200Rなど、GPZ900Rの後継発展型エンジンを積むものだ。この車両ではGPZ1100エンジンを選んでいるのも、興味が惹かれる。
「ZZR1100派生で純正で6速ミッションを持っている。それにスリーブもめっきではないので、以後のボア拡大ほか、遊べる余地が多いんです。大排気量でトルクも太いですから、比較的イージーに乗れる。
その上でこのエンジンは元のφ76mm/1052ccからφ78mm/1108ccにして、余裕も増しています。6速はロングツーリングにも使いやすいですし、オーナーさんの使い方にも合っているんです。エンジン搭載用にちょうどナイトロレーシングのダウンチューブ・タイプIIが1セットあって、それも使えました」
エンジン搭載ノウハウは確立されて(ダウンチューブキットと、これをフレーム側に強固に連結するフレームアシストハンガーでフルダブルクレードル化した上で積む)いて、他のパートは配線一新や最適ディメンション設定と、ニューType-R同様に構成できる。オーナーは以前ZのRCMを所有していて、この車両を改めてオーダーした、初のRCMリターンオーナーだそう。しかも多くのスーパースポーツ等の車歴を重ねた上での選択。自身に必要な特性を見抜き、その上でかつて乗ったRCMの良さをオーバーラップしてのオーダー。ならば今後も長く乗っていくだろう。なお、RCMニンジャ・フォーミュラパッケージには’00年以降のカワサキエンジン+FIを積む仕様という新しい構想も生まれている。時間はもう少し必要でしょうけどと中村さんは言うが、新たなそのシリーズの姿も楽しみになってくる。
Detailed Description詳細説明
車体はRCM NinjaニューTYPE-Rに準じた構成で、フレームはカウルブラケットのボス部補強やリヤワイドタイヤ適合フレーム延長を行う。スカルプチャーステムキットTYPE-1にはデイトナRCMコンセプトハンドルをマウント、左右マスターはゲイルスピードVRCをセットする。メーターはエンジン回転計をスタックST200とし油温計&電圧計をDefi、燃料計をSP武川に変更。ヨシムラPRO-GRESS2メーターも加えている。ミラーはマジカルレーシング・レーサーレプリカミラーのタイプ2ヘッドだ。
シートはスプリームシートでサイドにNinjaロゴも入る。グリーン×ブラックの塗装は奥進が担当している。
ステップはナイトロレーシング。マフラーはナイトロレーシング・4in1機械曲げチタンEXマフラー・ハーフポリッシュに同コニカルチタンV-IIサイレンサーハーフポリッシュの組み合わせ。
エンジンはホリゾンタル吸気のGPZ1100をベースにDiNx社でクランク曲がり修正/ダイナミックバランス/ジャーナルラッピング、オーバーサイズバルブ打ち替え/シートカット加工、ボーリング/ホーニング等の精密内燃機加工を行い、ヴォスナーφ78mm鍛造ピストンやヨシムラST-1Mカムをセット。その上でGPZ/ZRXエンジン搭載用のナイトロレーシング・ダウンチューブ・タイプIIを使って搭載した。点火はウオタニSP2、プラグコードはPAMS。冷却系はナイトロレーシング・ワイドラジエターKIT+ハイマウントオイルクーラーKITで強化する。
キャブレターはヨシムラFCR-MJNφ37mmをデュアルスタックファンネル仕様でセットしてある。
フロントフォークはφ43mmのオーリンズRWUをノーブレストE×Mパッケージで装着。フロントブレーキはブレンボ484スーパースポーツキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせ。
リヤブレーキはブレンボP2-RS84キャリパー+サンスターφ250mmディスク。ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aで3.50-17/6.00-17サイズを履く。
リヤはスカルプチャーR.C.M専用ワイドスイングアーム+17インチNinja専用のオーリンズKA203ショックというサスペンション構成。ドライブチェーンはEK530RCMのBK;GPを装着する。