希少なZ1R-Ⅱがベースゆえの配慮を行った
RCM=リアル・コンプリート・マシンと呼ばれるオーダーカスタムコンプリートを手がけるACサンクチュアリー。そのグループ店として15年の活動歴を持つ、サンクチュアリーKOUGAによるZ1R-Ⅱだ。ただこの車両、他のZ系RCMとは少し異なる作りとなっている。
「元々は17インチホイール、セパハン仕様のRCMを持っている方がZ1R-Ⅱの中古を手に入れていじり進めた車両でした。前後18インチ、黒でまとめてちょっとワルっぽいイメージ。それでちょっと変わってるというのは、フレームがノーマルで作った点なんですよ。
Ⅱ型のZ1-Rは少ないですし、オリジナル状態の車両もなかなか見ない。なので思い切ってノーマルフレームで行ってみようって作ったんです。フレーム№の入ったステッカーも残ってるくらいです。リヤサスはレイダウンしてますが、それにも溶接や加工でなく、初めてPMCのブラケットを使ったというくらい。ですがそれ以外の部分はきっちり作ってありますし、ノーマルに戻そうと思えば戻る。ステップアップしようと思えばそれもOK。そんな仕上がりにしています」と、代表の立入さんは話してくれる。
その他の仕様はエンジンがノーマル0.5mmオーバーサイズピストンでオーバーホール/フルリビルドしての1030ccにしてから走行3000km、キャブレターは当初のCRに換えてTMR-MJNのφ38mm。クラッチも油圧作動化した上でブレンボRCSマスターを、またノーマルのスプロケットカバー内部にはKOUGAオリジナルの強化ミッションカバーも隠されている。
さらにフロントフォークはノーマルφ36mmながら新品インナーチューブを用意した上でDLCコーティング。動きは良くなるし、ブレーキの構成も含めてかなり贅沢な仕様です、とも立入さんは言う。
じつはこの車両、乗る機会があまりないとの理由で立入さんがお店で買い取り、販売車になった(その後成約済み)。ただ、かかった手間や費用、内容。それに今後を考えても、魅力的な1台と言えそうだ。
Detailed Description詳細説明
メーターまわりはZ1R-Ⅱのノーマルをリフレッシュ。ステアリングステムもノーマル50mmオフセットで、前後18インチにも適合する。ちなみにZ1R-Ⅱのノーマルは1.85-19/2.15-18ホイールだが、他のZ系の60mmでなく50mmオフセットを採用していたのだ。左右マスターはラジアルポンプのブレンボRCSだ。
20ℓ容量の燃料タンクほか、外装類はZ1R-Ⅱのノーマルをリフレッシュした上でブラックアウト。シートもリフレッシュされた。
エンジンは0.5mmオーバーサイズのφ70.5mmピストンを使って、純正の1015ccから]1030ccにスープアップ。バルブも純正流用でオーバーサイズ化されているという。キャブレターは当初はCRスペシャルを装着、現在はTMRφ40mm-MJNに変更。4インチ13段のオイルクーラーを追加して、ブラックアウトしてある。
フレームはZ1R-Ⅱのノーマルのまま。もちろん、ベースの状態確認はしていて良好と確認済みで、18インチ仕様ならそのまま十分使えるという判断もされてのこと。逆に言えばここからノーマルに戻して楽しむ、あるいはさらにカスタム化を進めるにも問題はないということだ。
作動にも気を遣った足まわり。フロントフォークはφ36mmのノーマルをベースにインナーチューブは新品+DLCコーティング、アウターはパウダーコート処理して上質な作動を得た。ホイールはKZ900ハブ+ステンレススポーク+アルミリム。前後ホイールのサイズは2.50-18/4.50-18だ。
スイングアームはノーマルのスチール丸パイプで、リヤブレーキはCP2696キャリパー+サンスター・ネオクラシックφ320mmディスクの組み合わせ。4本出しの排気系も車体同様にブラックアウト。ヨシムラ×ドレミコレクションの“ストリート4”を装着した(ノーマルは左右2本出し)。