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2ストロークGOGO!
GoGo2ストローク ヤマハTZR250編(第35回目)
レポート:中村友彦

上がったり下がったりで悩みに悩んだTOT直前?!

2020年 4月 29日

「直前に余計なことするから、ドツボにハマっちゃうんだよ」それはレース界ではよく聞く言葉だが、まさか自分で体験することになるとは。でも少しでも速くなる要素が見つかったら、レースを志すなら誰だって試したくなるんじゃないかなあ……。


前回報告した通り、2019年11月のTOT参戦は、すべてが順調に進んだ。とはいえ、実は順調だったのは本番当日だけで、直前には上を下への大騒ぎ状態だったのである。ではどうして、そんなことになったのかと言うと……。

時間があったからかなあ。業界の一部では売れっ子ライターとの噂がある僕だが、その実、11月上旬は仕事がスッカスカ(苦笑)。だから、本番直前の6~8日は、3日連続で筑波サーキットに通えた。もっともその背景には、10月30日の練習走行と11月4日のパワーチェックで得た好感触があって、そこから迷走は始まっていたのかも。

まず10月30日の筑波で、旧知の小川選手(近年のZERO-4クラスではヤマハTZR250・1KTで最も速いライダー)に遭遇した僕は、先導走行を依頼。そしたらあっさり、自己ベストに近い1分7秒台前半がマークできたのである。ただし、小川選手とはコーナーの立ち上がりスピードに大きな差があって、その原因はライディングテクニックだけではなく、キャブレターの口径(中村号はTM32で、小川号はPWK28)も考えられる。そこで、過去に使っていたTM30を引っ張り出し、リアライズにお邪魔してパワーチェックを行ったところ、後で掲載するグラフの通り、キャブの小径化に光明が見えて来たのだが……。

11月6日の練習走行でTM30を使ってみたら、どうにも中回転域の反応が悪かったのである。これがいわゆる、ダイナモと実走は違うというヤツか……などと考えながらピットに戻ると、なんとエンジン下部とチャンバーがオイルでベッタリ?! しかも掃除をしながらエンジン下部をのぞき込むと、ポッカリ穴が開いているかのような雌ネジを発見。もしかして、相方のボルトを落としたのか? 顔面蒼白になった僕は、即座にクオリティーワークスに向かった。

しかし残念ながら、いや、幸いながら、主治医の山下さんとメカニックの安藤さんの判断によると、その雌ネジは相方がいなくて当然で、どうやら工場での新車組み立て時に使うモノらしい。そしてオイルでベッタリの原因は、単なるキャブからの混合ガスの吹き返し……。念のため、ドライブスプロケットシールも調べてもらったが、まったく問題なかった。

気を取り直して翌7日はキャブセッティングに励んだものの、キャブのメインジェット=MJを上下に振っても変化はナシ。さらに8日の特別スポーツ走行では、ジェットニードル=JNの段数をいじってみたが状況はいっこうに変わらず。そして止むを得ずキャブをTM32に戻したら、至って普通に走れるようになったのだった。

あら? 文字にすると上を下へのという感じでもないが、11月6~8日の僕はテンパリモードに突入し、今回の参戦は無理かも……と思っていたほどである。まあでも、悩みながらも筑波に通い続けたことが、今回は好結果につながったのかもしれない。

【GoGo!! 2ストローク記事一覧はこちら!! 】

最右が2年ほど前から使っているTM32で、中央がそれ以前に使っていたTM30。左は1KT純正のTM28だ。ちなみに近年のZERO4/2参戦マシン群を見ていると、1KTとR1-ZはTM32、RZ・RZ-RはTM30を使うライダーが多いように見える。

東京・八王子のリアライズで行ったパワーチェック時の出力グラフ。最高出力が52.6㎰の赤がTM32で、53㎰の青がTM30。計測を行ってくれたリアライズの道岡さんによると、2㎜小径のTM30のほうが、回転上昇スピードが速かったそうだ。

エンジンと言うより、ミッション下部の筒状の出っ張りの中には、雌ネジが刻まれているのが分かるだろうか。5年以上も1KTと付き合っているのに、どうして今まで、この雌ネジの存在に気づかなかったんだろう……。

'19年11月のZERO4クラスを制したのは、♯71八木選手+NSR250R。当連載では目の敵としがちな(?)NSRだけれど、八木選手は僕と同じ2015年からTOT参戦をスタートしたライダーで、ここのところ勝てそうで勝てないレースがずっと続いていた。その初優勝には心からの拍手を送りたい!

優勝と言えば、当連載の主治医であるクオリティーワークス・山下さんもVF400Fに乗りZERO-2で久しぶりの優勝。決勝レース中のトップ争いは激しく、それはもう観ていてもムチャクチャ盛り上がったのだ。

本文の通り、10月30日に先導走行をしてくれた1KTライダーの♯10小川選手は、予選で1分4秒404をマークして3番グリッドを獲得。でも決勝レースではジャンプスタートで、ライドスルーペナルティ……。ところで、あまりに速いため“2XTに違いない”と噂されている小川号のエンジンだが、シリンダーの刻印は1KTで最高速は僕の1KTと同等(?)のようだ。

♯22土田選手のGSX-R400は、'80年代にヨシムラと協力関係を築いていたミラージュ関東のスペシャルという。16 / 18→前後17インチに変更されたホイール以外は、できるだけ当時の姿を維持している。

TOTでは希少車となっているVFR400Rを駆るのは、従来はNSRやGSX-RでZERO-4に参戦していた♯91前道選手。製作はエグケンガレージが担当した。

WRITER

中村友彦

二輪雑誌編集部員を経て独立し、現在フリーのモータージャーナリストとして活動中。クラシックバイクから最新モデルまでジャンルや新旧を問わず乗りこなし解説する。カスタムやレースにも深く興味を持ち、サンデーレースにも参戦する。

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