サーキット走行も狙うパッケージも構想中
本来は丸タンクのカワサキZ1000Aをベースに、ビキニカウルや角型の13ℓスリムタンクを装着、前後18インチで仕立てられたメイクス・カフェレーサーのZ1-R。その登場は1977年型としてだから、当年(撮影は2020年春)取って43歳という計算だ。
「オーナーさんもZ1-Rと同い年、つまり同級生なんです。それで長年乗り続けてきて、現在のような仕様になっているんです」と、ビッグフットの阿武さん。なるほど、車両とオーナーの関係性をそう考えるという発想はなかなか楽しい。
「今は前後17インチに1105cc仕様のエンジンで、各部も高質なパーツを選んでいってという仕様で楽しまれています。それが、もっと走りを楽しもうと、オーナーさんは今後はサーキット走行も視野に入れた次なるパッケージを考えておられるところです」とのこと。
ペイントも含めたフルカスタム=現在の形で完成形と思いきや、その先がある。具体的にはブレーキと足まわりの強化がターゲットというところ。ともあれ、進化する“同級生”と、それに合わせるかのように熟練していくオーナーの付き合いは尽きないのだ。
Detailed Description詳細説明
車体色に合わせてブルーシルバーカーボンで製作されたカウルインナープレートには、スタックST700SR多機能メーターとヨシムラ・デジタルマルチメーター等を装備。ハンドルバーはハーディーで左右マスターはブレンボラジアル。ステムはスカルプチャー製だ。
Z1R-Ⅱ用と思えるやや大きめのフューエルタンクは、Ⅰ型用純正オプションのビッグタンク(20ℓ容量)。カスタムペイントはCAR MASTERによる。
エンジンはヴォスナー製の鍛造φ73mmピストンによる1105cc仕様。カムはヨシムラST-1でクランクフルリビルドや各部重量バランス、ポート修正等も行う。フレームは8カ所を補強、ワイドタイヤに合わせたワイド&レイダウン加工やドライブチェーン軌道処理も行われる。
キャブはTMR-MJNφ38mmのデュアルスタックファンネル仕様をチョイス。
ステップキットはPMC製を装着。排気系はナイトロレーシング・チタンだ。
フロントフォークはオーリンズφ43mmをサンクチュアリーのエクスモード(E×M)パッケージでセットする。フロントブレーキはブレンボ4ピストンキャリパー+ガルファー・ペータルディスクの組み合わせ。このブロックは今後の強化&進化対象というが、どう変わるかにも興味が湧く。
スイングアームはウイリー・7N015角目の字断面アルミを使う。ドライブチェーンはDIDの530サイズでスプロケットはサンスターだ。
ホイールはO・Zレーシングアルミ鍛造のGASS RS-Aで3.50-17/6.00-17サイズで、リヤショックはナイトロン。リヤキャリパーはブレンボの2Pだ。