すでに100台近くに施工?! ニンジャカウルにこだわるライダー向けに今どきバイクにも美しくフィッティング・カスタムレボリューション
最初はこれほど注文があるとは思わなかった
最初にカスタムレボリューションのアウトラインを書けば、同店の創業は2000年。当時からFRP造形が得意で、根本秀明代表は「なんでも屋ですよ」と笑うが、今はFRP/カーボン外装製作+ペイントショップと呼ぶのが、一番分かりやすいかもしれない。ここで話題とする、Z1000/Ninja1000向け、GPZ900R風アッパーカウルの最初の装着は、2012年だった。
▲カスタムレボリューション代表の根本秀明さん。店舗は東北道・白河中央スマートICにほど近い、国道4号沿いとアクセスも良好。取材時はユーザーのリクエストに合わせた、FRPカウルへのペイントのためのマスキングの最中だった。
「自分でニンジャの純正アッパーカウルを水冷初期型Z1000(’03年型〜)に付けたオーナーが、『グラグラするから何とかして』と持ってきたのが最初。カウルステーを作って、アッパーカウル下端をきれいに見えるようにアレンジしたんです」と根本さん。
別ユーザーのZ1000B(’07年型〜)にニンジャカウルを付けたいという注文の機会に本格的に雌型を起こし、FRPカウルを製作して収めたらこれがSNSで拡散してヒット。近くのバイクショップの依頼からスタートした、Ninja1000用も加わって、年間製作は10台はくだらない、と根本さんが言う商品に育った。
「今はアッパーカウルはいずれも綾織りのシルバーカーボンとカーボン、そしてFRPの各素材から選べ、ステーはZ1000ならB(’07年)/D(’10年)/F(’14年)の各型に、Ninja1000は、前期型/トラコンの付いた後期型のどちらも用意できます。残念だったのは、こんなことになると思わず最初のZ1000初期型用ステー製作時にデータを取らなかったことかな(笑)」(同)。
現在(取材時)はNinja H2へのフィッティング依頼に、どう応えるかを思案中なのだと言う。
ところで気になるのは同店のキットのプライスだが、根本さんは「基本はワンオフパーツ製作と同じ。車両を持ち込んでの外装脱着のあり/なし、塗装と追加加工の要/不要で変わりますので一概には。オーダーの多い、アッパーカウルとステー購入、ペイント込みのケースで40〜50万円ぐらいといったところ。興味があれば、まずは電話で相談ください」と。
「僕はFZが大好きで、当初はヤマハ系各車にFZのアッパーカウルをフィッティングしてきたのだけれど今はボチボチ。みんな、ニンジャカウルが好きなんですね」と屈託なく笑う。同店のホームページには、カスタム好きなら「それもアリか!」とニヤリとする外装フィッティング例が多数掲載されているので、覗いてみてほしい。
カワサキ現行ビッグバイクなら付かない車両はない?!
カスタムレボリューションによるカウル装着2例を紹介しよう。2018年型Ninja1000は、ヘッドライトまで割る転倒で、純正カウルまわりの修復が高額となったことをきっかけに、同店製カウルへのコンバートを決意した1台。
▲CUSTOM REVOLUTION Ninja1000。転倒トラブルを契機に大好きなニンジャルックにした一台だ。詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!
本家GPZ900Rで使われたエボニー×パールコスミックグレーの塗り分けをゴールドラインで引き締めるカラーリングを彷彿させる外装の色使い、さらに要所にゴールドカラーのパーツを配すことで、ベース車の雰囲気は見事に消されている。さらにセンターカウルを廃し、エンジンまわりを見せることで軽快感も獲得した。月並みな例えだが、GPZ900Rの雰囲気が現代に継続されればこんなカスタムを……と想像したくなる。
▲CUSTOM REVOLUTION Z800。希有なミドルネイキッドにもオリジナルカウルは自然にフィットしているのがわかる。詳細はこちらのザ・グッドルッキンバイクページをチェック!
一方、前作Z750の後継として’13年にデビューも’17年には現行Z900にバトンを渡したZ800は、当時は逆輸入車でその生産期間も短かったため、今となってはレアなミドルネイキッド。同店にはZ800用マウントステーなど、ラインナップにはないわけで、当然この1台のためにフィッティングされたわけだが、あまりに自然にニンジャカウルが装着されることに驚かされる。
これ以外にも、ZX-10Rへの装着実績もあり、H2への装着依頼が進行中のことも含め考えると、カワサキの現行ビッグバイクのニンジャフェイス化は全て可能に思える。果たして似合うか? という課題も、同店なら絶妙なカラーリングで解決してくれるだろう。
ユーザーからのリクエストに細かに応えるノウハウ&技術
カウル下端にはオプションで追加工したメッシュネットが貼られダクト穴も見える。
上写真はカウル製作用の雌型。下はその雌型を中心に、右が通常の綾織りカーボン製で左が綾織りのシルバーカーボン。
シルバーカーボンを素材とする例は量産外装パーツには希だが、明るいキャンディペイントの発色が良いということで採用。写真の通り、豊富なカラーラインナップが選べ、いずれもキャンディペイントの下にカーボン地が透け出す仕上がりが美しい。
装着車体に合わせて作られるマウントステーは5種の型を常備
根本さんが自らを評す「何でも屋」を地でいく作業が、このステー製作だろう。もちろん根本さん自身がその製作を器用にこなす。アッパーカウルの基本価格はFRP製:4万4000円、カーボン製:6万6000円。例えばZ1000(F)への装着にはアッパーカウルステー:6万500円とネックステー:3万3000円が要り、Ninja1000にはアッパーカウルステー:6万500円のみで装着可能。いずれにせよ、オーダーするなら同店との打ち合わせでのリクエスト内容確定後に、見積もりをもらうのがいいだろう。
【協力】カスタムレボリューション TEL0248-24-1661 〒961-0004福島県白河市萱根西ノ内80-1 http://customrevolution.sunnyday.jp/
※本企画はHeritage&Legends 2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
バックナンバーの購入は、https://handlmag.official.ec/ で!