熱意も伝わるハーフカウル仕様レプリカ
多くのカスタムや中古車を扱うT.T.Rモータース。中でもCB-FシリーズやCB1100R、インライン6のCBX(1000)は得意分野と言える。これらについての対策部品や利便性の高いカスタムパーツも送り出しているし、復調のためのノウハウも数多く持っている。このところはエンジンパーツやキャブレターにオリジナルの洗浄システムRECSで対応したり、各種の機能塗装も充実させている。耐熱・耐候性の高いガンコート塗装のカラーラインナップを豊富にしたり、CB-F/R純正が履いた歴代コムスターホイールのアルマイトカラーを塗装で再現するなどもそのひとつだ。
そんな技術を生かしてT.T.Rではホンダの現行12インチ原付2種スポーツ、グロムを元にしたCB1100Rレプリカ的コンプリートカスタム“タイプRミニ”(こちらで紹介)も製作し展開中だ。同店・林さんはそのデモ車を各地で披露し、ミニ耐久レースなどにも参戦。そんな林さんと車両に刺激を受けて、同店のお客さんがエイプ100をベースにプライベートで作ったというのが、この車両だ。
全体の姿はもちろんCB-Fのレプリカ。ハーフカウルが備わっているのは1981年に追加されたCB900F2(CB900F2B)同様。赤いフレームもそうだ。この年に日本でも販売店でカウルやオイルクーラーを装着する設定で加わった(国内でカウルの純正装着が認められるのは1982年夏)限定モデル、CB750Fボルドール2(CB750FBB)がモチーフという見方をしてもいいだろう。900F2Bと750FBBは排気量違いの兄弟車で、他のCB-F同様に外観はほぼ同じでもあった。
実車に話を戻せば、サイドカバーの「CB100-F BOL D‘OR’」文字はそのボルドール2同様で排気量表記を変えただけだし、丸目のヘッドライトも同様(F2B/FBBとも本体は丸目で、その前に角型のクリアカバーが付いていたため角型と覚えている人が多い)。そんな細部に加えて、CB-Fスタイルの外装や当時風カスタム感を高めるセブンスターキャストホイールなどのパーツもオーナー自身が探したというように、かなりの力作(念のため、T.T.Rの販売車ではない)。T.T.RのタイプRミニと並べればスケール感もマッチするし、CB750FBBと並べればこちらもまたその風格に口元が緩んでくる。ミニの世界の奥深さを雰囲気から垣間見せてくれる、そんな1台に仕上がっているのだ。
Detailed Description詳細説明
CB-Fを彷彿させる外装はオーナーが探してきたものを装着。マッチングのよいフロントカウルは1984〜年の空冷DOHC4バルブ単気筒スポーツ、ホンダCBX125F用という。その下に見えるダブルホーンや大ぶりの角型ウインカーなどの配置もCB750FBBらしさを高めている。
メーターもエイプ100の単眼からSP武川製を2個使いした2眼式としてCB-F感をアップ。ハンドルもCB-F用セパレートアップを使った。
Gクラフト製アルミエンジンマウントやステップ。ヨシムラパーツやSP武川パーツと、4ストミニジャンルの著名パーツも駆使したエンジンまわり。オイルクーラーや赤いシリンダーヘッドカバーも雰囲気を高めている。サイドカバーにはCB100-F BOL D'ORの文字が入る。
足まわりも凝っていて、前後ホイールは12インチのセブンスターキャスト(これもオーナーが探した)をモチーフ車同様にスポーク部がゴールド、リム部がシルバーになるようペイント。フロントフォークはエイプ純正でボトムケースをブラックペイントしている。
フレームが赤く塗られた点など、CBファンが見ればなるほどと思える部分もたくさん。この車両ではカスタム感を高めた部分もあり、前後ブレーキキャリパーはブレンボ(フロントがAxialキャストキャリパー P4、リヤがP2 32)で、ディスクもサンスター・プレミアムレーシング。マフラーはヨシムラだ。
右はモチーフとした1981年の限定車、CB750Fボルドール2(CB750F2B)。並べて見ると雰囲気の近さにわくわく感が高まってくる。