販売店からの視点で見る中古バイク購入のポイント 後編
動かしてわかる部分の確認
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明快にチェックポイントを指示してくれる中村さん。それが、各部を動かすことで分かることが増えるという。続けて聞いてみよう。
「先に言ったエンジンは、かけてみて音を聞きます。距離が出ているものはカムチェーン音などノイズが出ます。大きいなら注意。カワサキZR-7のように空冷エンジンの場合は音が外に出やすいから分かりやすい。 前後サスも押してみると、ふわふわで抜けているようなのがあります。このように、動かした時に出てくるものも多いんです。メーターの針の振れは内部のゼンマイやワイヤがダメか、油切れ。 いろいろあるなあと思うでしょうが、中古車を見るときの基本は足まわりとエンジンがしっかりしていることです。外装は何とかなりますから。
ウチでもそうですが、こうした中古車は仕入れた後に各部をチェック、それから納車整備して、試乗もして確認していきます。そこで出てくるような不具合もあるんですよ。
走行で暖まってキャブレターのインシュレーターにヒビがあることが分かるとか、調子が変わるとか。そうしたものも洗い出します。キャブレターで付け加えれば、内部のジェット類のホルダーやニードルなどが使用で減って、燃調が表示より濃いめになってることがあります。何だか調子が悪いのがメインジェットを小さくすると調子よくなったというのはその例です。#100なのに内径が広がって#120の分だけ量が出ていた……なんてことです。そんな怪しいところも見つけて換えていって、ようやく店頭に並ぶんです」
車両購入から長い付き合いをするお客さんも多いというレッドモーター。その店頭に並ぶ車両には、こうした目が光っていたわけだ。
動かして見ておきたい中古車ポイント
1.フロントフォーク
2.リヤサスペンション
止まった状態の外観に加えて、動かせる部分を動かすと、どんな状態なのかがより多く把握できる。フロントフォーク、下のようにリヤサスペンションをそれぞれ押してみて(押しているのはレッドモーターのメカニック、鹿島さん)、ちゃんと腰があってストロークするか見てみる。意外に抜けたものも多い、と中村さん
3.エンジン
エンジンはかけてみれば音からある程度の判断が出来る。ZR-7のように空冷エンジンなら、よりしっかり聞こえてなおさらだ。カムチェーンの音が大き過ぎれば伸びを疑う。ほかにも異音はないかなどを聞いてみよう。このバイクではいたって普通の状態だった
※本企画はHeritage&Legends 2020年11月号に掲載されたものです。
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