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安心の新型KATANA。大事にする覚悟が反映される空冷カタナ。どちらも素性は高められる!・テクニカルガレージRUN【後編】

空冷にはハガネ、水冷にはシン・ハガネというコンプリートカスタム車を製作するテクニカルガレージRUN。製作から片や7年、片や半年以上を経て新たに見えた両車への可能性とともに、空冷カタナ・水冷KATANAの選び方を聞く。 前編はこちらから!

大事にされる車両の見本となるハガネ

もう1台、空冷カタナをベースにしたハガネも、バージョンアップコンプリートによるもの。何度か誌面で紹介してきたが、今見ると、新たな側面が分かる。作りとして綺麗という以外に、隅々までがきれいな状態を維持している。そして、いつでもセル一発でスタートする。もう7年も前の2013年に製作されていながら、だ。

「おそらく、メンテナンスはもちろんですが、フツーに使ってるからでしょう(笑)。房総ツーリングにチョイ乗り、サーキットに。ほかの車両(シン・ハガネやニンジャ、GSX-R1000Rなど)にも乗っているのと同様、これにもよく乗ります」

そう言う杉本さんが指さすメーターの走行距離は、4000㎞を示す。ただ掃除されただけではない、使い込まれているのと同様に、きれいというのは、使うことで無駄な劣化を抑えていることになる。

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▲空冷カタナはパーツのストックも考えておく/空冷カタナをこれから長く乗りたいのなら、純正でなくなって困るパーツのストックも考えてほしいと杉本さん。燃料タンク(写真/タンクパッドは社外品)はその筆頭で、TG-RUNではスズキとの関係性を活かし、相当数を確保して対応。こうしたパーツは一部で法外な値段で取引されているようでもあるので、事実、廃番なのかも、適正価格なのかも正しい情報が必要だろう。

「消耗品=ブレーキパッドやタイヤなどは換えますけど、あとは作った当時から変わってないですね。製作時にフレームもエンジンもゴム系パーツも見直ししていますから」

これはよく考えてみると、あるべき旧車の維持の姿ではないだろうか。作った時点がピークなのではなく、そのいい状態をキープする。常々、杉本さんが言ってきた「オイル交換も含めた定期メンテナンスと、普段から使うこと」を、自ら実践したのが、今、つまり製作から7年強が経ったハガネだ。空冷カタナならこれは十分に参考にしたい。その上で、と杉本さんは続ける。

「今から空冷カタナを手に入れたい、今持っている車両を長く乗りたいという方にも、改めて“ほしいなら今”、“必要な純正パーツはストックを”と言っておきます。もう10年以上前から何度も言ってますが、純正部品の廃番や廃番部品の高騰。車体もですよね。以前は100万円以下で買えたのに……、今は200万円スタートでそこから手を入れるという状態になりましたし、純正部品の定価も上がったり、廃番が多くなったりしていますから、空冷カタナがほしいなら早めに。旧車特有の苦労なく、刀の世界を味わいたいというのなら、現行のKATANAを選べばいいと思います。

それでも空冷と言うのなら、パーツを。ウチでは、自社ユーザー用として、廃番の部品も純正ガソリンタンク含め相当数確保してます。25年以上の正規販売店としての情報も持っていますから、車両のことも合わせて聞いてほしいですね」

空冷カタナもKATANAも、スズキのアイコン的モデル。だからこそ乗って楽しめることが大事。そんな車両の状態を、RUNの2台のコンプリートは物語っているのだ。

 

製作から7年を超えても即実動できる。空冷カタナ維持&現代化の見本的車両に

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TG-RUN “HAGANE”/2020年末の今、メーターが表示する走行距離は4079㎞。ホコリも被らず、セル一発で元気よく始動するエンジン、また押し回し時にも固着感や渋さのない足まわり等からも、継続的に使われて調子を維持しているとよく分かる。

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古いバイクとなったGSX1100Sで修理や復元が必要な部分にきちんと手を入れた上で、必要なところにひとつひとつ手を入れる手法は各部に見られる。オフセットを[50→]35mmとしてトレール量を確保するステムはRUNオリジナル、メーターカバーはマジカルレーシング。フレームは1135Rタイプ補強。φ43mmフォーク/リヤショックはオーリンズで、1.85-19/2.50-17→3.00-18/4.50-18サイズの鍛造ホイールはゲイルスピード。エンジンは1075→1135㏄化しFCRφ39mm/ケイファクトリー・チタンEXで後軸125ps。バッテリーはSHORAIリチウム。

■取材協力・TECHNICAL GARAGE RUN

※本企画はHeritage&Legends 2021年2月号に掲載されたものです。

「安心の新型KATANA。大事にする覚悟が反映される空冷カタナ。どちらも素性は高められる!・テクニカルガレージRUN」前編はコチラから

WRITER

Heritage&legends編集部

バイクライフを豊かにし、愛車との時間を楽しむため、バイクカスタム&メンテナンスのアイディアや情報を掲載する月刊誌・Heritage&legendsの編集部。編集部員はバイクのカスタムやメンテナンスに長年携わり知識豊富なメンバーが揃う。