2021 JD-STER Round2レポート
目が離せない好勝負連発のドラッグレース第2戦!
路面をいかに攻略するかが当面の課題?!
昨季までと違い、自動車専用舗装のコースでの開催となった、JD-STERドラッグレース。第2戦もその好グリップ(舗装の目も詰まってVHT=グリップ剤の載りも格段にいい)が仇となって、スタート時に高々とフロントを上げてタイムロスするライダーが多い中、前日の練習から最高峰・プロオープンクラスで8秒5台の好タイムを連発したのが、白田文博選手+HAYABUSA(上のタイトルカット、手前が白田選手)。
▲VSB STREETクラス・Zファンの注目集まるVSB(ビンテージスーパーバイク)はプロクラスが阿部 崇選手+KZ1000(手前)が第1戦に続き連勝。
その白田選手、第1戦ではご多聞に漏れずウイリーを重ねたのだが、一転、第2戦では好走となった理由を尋ねると、「リアクションとスタートから60ftまでのタイムを敢えて捨てました。後半の伸びを重視してしっかり400mを走りきる、がテーマだったんです」(白田選手)
▲VSB PROクラス・長谷川健次選手+Z1(手前)が初優勝。
ドラッグレースは60ftまでが大事、そのタイムがそこから先、ゴールまでのタイムを左右するというのが定石だが、ウイリーを回避するめに今回は捨てたのだという。
「その分、後半の速度を載せるために減速比や空気圧は変えたし、フロントタイヤの扁平率やサスも見直して前に荷重がかかるようにして、とにかくウイリーを回避しようと。クラスフォーエンジニアリングの横田さんと相談しながら、セットアップしたんです。スタートを捨てた結果、リラックスしてライディングに集中できたのも、良い走りにつながったのかな」(同)
▲H-Dクラス決勝は第1戦と同じ陶山慎治、金澤修二両選手によるDestroyer対決。陶山(手前)が前戦勝者・金澤に雪辱。
白田選手は決勝トーナメントも好調を崩さず、2019年第4戦以来の勝利を獲得。決勝中ベストタイムは8秒551(もちろん、大会トップタイムだ)。終速は285㎞/hだった。7月開催の第3戦は現仕様をベースに、課題に残したリアクション、スタートから60ftの各タイム詰めにも挑戦して、さらなる高みを目指すという。NOS噴射で300ps想定という現状パワーも、まだまだ上げられる余地がある。
▲オープントーナメントAクラスは前戦2位の矢嶋晴也+ZX-14R(手前)が'20チャンプの武部文栄+ZX-14Rを下した。
息を吹き返した2018年シリーズチャンピオン、白田選手にいかにライバルが絡むか? 2019年チャンプでポイントリーダー(第1戦優勝)の田辺康彦選手+ZX-14R、2020年チャンプの阿部嵩大選手+プロストックGSX-R、その父にして大ベテランの阿部 巌選手+同GSX-R……。強豪ひしめくプロオープンクラスの楽しみは広がる。
※本企画はHeritage&Legends 2021年8月号に掲載された記事を再編集したものです。
バックナンバーの購入は、https://handlmag.official.ec/ で!
WRITER