コーナー立ち上がりでの開けやすさを作り込む
カワサキZRXシリーズを“手を入れて、乗って遊べるバイク”と捉え、そのために同シリーズ用に多くのパーツを開発・販売してきたケイファクトリー。このDAEGはそのデモ車両の最新の状態だ。冒頭のコンセプトを表現する上で、同社の桑原代表が常々言うように、自社パーツだけでなく、付き合いの深いメーカーのパーツも装着してカスタムらしいまとまりのある作りや、カスタム車両に自社パーツを組み合わせた時のイメージも作り出しているのが特徴だ。
その中で目を引くのは、’21年後半に発売された新作のチタンフルエキゾースト「CLR-RG+ フルエキ ヘキサゴンサイレンサー JMCA認証」だろう。
φ42.7mmエキパイによる4-1構造を採ったフルエキゾーストシステムで、最新のケイファクトリー製チタンフルエキの特徴ともなっているヘキサゴンサイレンサーをセット。このサイレンサーはヘキサゴナル=6角の断面形状とともに、前後の両エンドをバフ仕上げのジュラルミン削り出しとして、音質にもこだわっている。
「このフルエキはまずスタイルを重視しています。その上で、かつての4-1マフラーの味と雰囲気を楽しんでほしいというように作ったんです」と桑原さん。
「作りとしては4-2-1の方が低中回転からトルクが出て、車両を前に押し出してくれます。これが4-1だと、すーっとスロットルを開けるとそれに応じてトルクが付いてくる感じで、スロットルを開けた感があるんですね。
このフィーリングが1200や1300ccという排気量が普通になった今のバイクには向いているかなと。トルクはこの大きめの排気量で稼げていますから、コーナーからや、ミューの低い路面での立ち上がり時に、スロットルが開けやすくなっている方が安心して乗れると思います。4-1らしいフォーンという音も加えて、操っている感じも楽しめる作りです」
上質できちんと手を入れたバイクを、操作して、味わいながら乗る楽しみ。今よりももう少し歳を取ってもそれが楽しめるようにという配慮も込められたこの作り、ぜひ注目しておきたい。
Detailed Description詳細説明
カーボンハンドルバー、スーパーコートの50mm延長タイプスクリーンはマジカルレーシング製。ステムはケイファクトリーによる削り出しパーツだ。
カーボンモノコックボディのNK-1ミラー・タイプ5ヘッドもマジカルレーシング。左右マスターはブレンボラジアルでフォールディングタイプのレバー、レバーへの外部からの干渉を防ぐレバーガード、ハンドルバーエンドはケイファクトリーのアルミ削り出しパーツを装着。
ステップバー先端にジュラコンスライダーを埋設したライディングステップもケイファクトリーのDAEG用。上×後ろでノーマル比35×35mm、40×45mm、45×35mm、50×45mmにバー位置を変更できる4ポジションタイプ。ペダル部も左右とも前後5mmの位置調整可能だ。
エンジンはDAEGのノーマル。クラッチカバーTYPE-2(右側。別体スライダー装着)やパルシングカバーTYPE-2(左側。下に別体スライダーも装着)にスライダー、ラジエーターコアガードはケイファクトリー、ラジエーターシュラウドはマジカルレーシング製のカーボン品。
φ34mmスロットルボディ/ツインフラップのFIはDAEGのノーマルで、ここでは削り出しエアファンネル+ネット仕様としている。
「CLR-RG+フルエキ ヘキサゴンサイレンサー JMCA認証(ZRXダエグ)」。スターティングゴールドの焼き色を持つφ42.7mmエキパイによる4-1集合スタイルは、往年の4in1エキゾーストの印象とともに伸びやかな音質、スロットルを開けやすいフィーリングを演出したという。
385mm筒長の6角断面チタンシェル+ジュラルミン削り出し前後エンドのヘキサゴンサイレンサーは「CLR-RG+フルエキ ヘキサゴンサイレンサー JMCA認証(ZRXダエグ)」の特徴ともなっている。スマートなデザインでDAEGをドレスアップするとともに機能も高めている。
スイングアームはケイファクトリーNEWビッグ目の字断面でリヤショックはオーリンズ。リヤブレーキはブレンボCNC 2ピストンキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスク。ホイールはBSTカーボンのブラックダイヤモンドで、3.50-17/6.00-17サイズを履く。