カッコ良くをベースに使い方に合わせて作り込む
しゃぼん玉は1100~DAEGのシリーズを通じて、実に多くのカワサキZRXのカスタムを手がけてきた。それは同店の、2輪大型洋・用品店として多くのパーツを店頭に置いてある点。実際に商品(同店オリジナル製品やコラボ製品も多い)を見ながら、細かい説明も受けつつ買うことができるという特徴がある。また同じく、カスタムショップとして、整備も、1台丸ごと作れるヘビーカスタムまでもこなすという点。これらから、自ずとZRXユーザーがしゃぼん玉というショップを頼り、作業を行い、長く付き合う流れを作ってきた。しかもZRX乗りのスタッフも多くいる。このDAEGのオーナーも、そんな同店と長い付き合いを続けてきたひとりだ。
しゃぼん玉本店・マネージャーの滝川さんは言う。
「この車両はDAEGに今、手を入れる方向けの参考になると思います。サスペンションやブレーキを強化して、鍛造ホイールで軽量化。あとフロントカウルをフレームマウント、メーターもパネルも含めてワンオフしています。
さらに燃料タンクもアルミにした上で外観はフルペイントもしているんですが、見て分かるように、エンジンまわりはほぼそのまま。極端に言えば、この車両はルックスを重視して手を入れているんです。お客さんが好きな形にできて、その上に、換えたそれぞれのパーツの機能が加わる。そんな例です。
DAEGの場合、ノーマルで不満というようなところは少ないんですね。いじらなくても普通に乗れる。当たり前ですけど、さすがにシリーズ3世代目という感じがします。でも、格好良くしたいというのは皆さん考えるでしょうから、まずはそこを追ってでいいでしょう」
意外に思えるが、燃料供給がFIでめっきシリンダーエンジンのDAEGは、ZRX登場25年、DAEG登場から10年が経つ今見ても十分に現代的。そしてZRXの3世代目=最終型として完成度も高い。だからエンジンパフォーマンスを引き上げると言うよりは、ルックスから入って操作系や足まわりのパフォーマンスアップを狙うのだ、と滝川さんは続ける。この車両はその好例ということだ。
Detailed Description詳細説明
アクティブ製7N01材カウルマウントステーでフレームマウントカウル化。この手法はしゃぼん玉でも早くから定番化していた。ヘッドライトやメーター/ウインカー、フロントカウルなどの重さはステアリングではなくフレームに任せられ、ハンドリングが軽くなる効果を生む。
メーターはカーボンワンオフパネルにスタックST700SRを装着。アクティブ・デジタルモニタ、Giproギヤインジケーター等も配される。こうしたメーター加工/製作も同店で請けてくれる。左右マスターはブレンボRCSだ。
燃料タンクはアルミ製に置換。軽量化され、内部サビの心配もなくなる。外装はYFデザインでペイントし、愛車感覚をぐっと高めている。
グラブバーは取り外し、ウインカーも超小型化してすっきりとさせたテールまわり。シートもシングルシートデザインに変更されている。
ステアリングステムはハンドルポストもトップブリッジ一体削り出しのウイリー製モノブロック・ストリートEvoで、オフセットは純正と同じ30mmだ。
エンジンとフューエルインジェクションはDAEGのノーマルで、スライダー付きのクラッチカバー/ジェネレーターカバー、クラッチレリーズはケイファクトリー製。ラジエーターはビッグ/ラウンドタイプでオイルクーラーも追加する。ステップキットはOVER製で、アクティブのサブフレームも追加されている。
フロントフォークはナイトロンのNTR43。フロントブレーキはAPレーシング・ラジアルマウント4ピストンキャリパーをウイリー製サポートでマウントし、サンスターディスクを組み合わせる。ブレーキラインもステンレスメッシュ化した上でフォークボトムと色を合わせている。
前後ホイールはアルミ鍛造のO・ZレーシングGASS RS-Aで、3.50-17/6.00-17サイズを履く。リヤショックもナイトロンをチョイスしている。
スイングアームはウイリー製7N01アルミ目の字断面材ハンドメイドで、リヤもAPレーシング・2ピストンキャリパー+サンスターディスクだ。