定番スタイルのベースとなって新オーナーの元へ
スクエア4レイアウトのスズキRG400/500Γ、90度V3のホンダNS400R、50度V4のヤマハRZV500R。実はこれだけしかない、2ストマルチシリンダーのGPレプリカモデル。うち、Γについては前後17インチホイール化やエンジンオーバーホール、JL製チャンバーにマップ書き込み済みCDIの販売等、多くのメニューを定番化。車両製作でも“理想の現代版400/500Γ”を作ってきたのが、クオリティーワークスだった。
ここに紹介するRG500Γも、ノーマルのカラーリングや外装を生かした中にそんなメニューを盛り込んで作り込まれている。
「オーナーさんが新車で買って乗られてたんですが、その後しばらく寝かせた状態になってました。それを今のようにΓ人気が高まる前に“乗りたいので直したい”と依頼をいただいたんです。
それなら、ついでに17インチ化しましょうって’90~GSX-R400のホイールと倒立フォークを使い、スイングアームも補強。JLチャンバーも、まだほかに誰も付けていない頃にいち早く付けました。その状態でだいぶ乗られて、スプリングやフォーク突き出しなどセッティングもいろいろ試して、かなりいい感じで煮詰まっています。いわば、今当店で作るΓの見本的な車両になっているんです」
今回は車検のタイミングで入庫し、ひびが入りヤレも見られてきたカウルをマジカルレーシング製に換装&全塗装したところで、事情により手放すことになったという。
「ちょうどその時に、500Γを買いたいというお客さんから問い合わせをいただきました。車体もパーツも価格が上がっているのでどうしようか考えていたということでしたが、そこにぴったり嵌まりました」と、新旧オーナーともお得と言える移行が行われた。この仕上がりと内容なら、これからも長く楽しめるはずだ。
2021年にはスズキ純正パーツが大量に廃番化され、今後の車両維持や製作に大きく影響しそうだとも山下さん。まだ何とかなるうちにこのようにいい車両=クオリティーワークスのRG400/500Γ定番パッケージを作っておくのは、今の最良の解答と言えそうだ。
Detailed Description詳細説明
3連メーターナセルにはカーボンカバーやデイトナ水温計も追加される。純正同様の位置に付くハンドルバーはZETA。スモークスクリーンはメイヤー製だ。
純正オプションのシングルシートカバーも備えた外装。アッパー/アンダーカウルはマジカルレーシング製で、純正色で全面再塗装される。
φ56×50.6mmのロータリーディスクバルブ・スクエア4エンジンは、クオリティーワークス製オリジナルピストン等でフルオーバーホール済み。
エンジン両サイドに2個ずつ付くVM28×4キャブレターやエアクリーナーダクトはノーマルのまま。電気系にはジールトロニック・プログラミングCDI(クオリティーワークスオリジナルマップを入れて販売中)+ウオタニSPⅡコイルキットを組み合わせる。MR-ALBOXアルミフレームもノーマルだ。
元々の製作時にハイグリップタイヤ化と高性能サス化も目標としたため、フロントには'90~GSX-R400用倒立フォークを延長して装着してある。
スイングアームはノーマルのアルミ角型で、その上側にオリジナル補強を加えてナイトロンショックと車高調整機構をセットしている。
前後ホイールもGSX-R400からの流用で[純正値:2.50-16/2.75-18→]3.50-17/4.50-17サイズに。ブレーキはリヤがノーマル、フロントがGSX-R400用だ。