アルミツインスパーフレーム400ccの2ストレプリカ
これはオートスタッフ末広が2003年から手がけているオリジナルコンプリート車両、“NC431V”。NS400Rの2ストロークV3エンジンを、VFR400R(NC30)のアルミツインスパーフレーム/プロアームに組み合わせ、オリジナル外装でパッケージ化したものだ。
そもそもアルミツインスパーフレームのレーサーレプリカが400/500ccクラスにないことが発端だった(NS400R、RZV500R、RG400/500Γともアルムダブルクレードルフレーム)。車名のうち、NCはホンダの400ccクラスモデルの型式、4は400ccクラス、3は3気筒エンジンで1は1本(片持ち)スイングアーム、VはV型エンジンからそれぞれ取っている。
考えてみれば誰も思いつかなかった手法によるものだが、同店の中村さんは、’80年代前半から既にカスタムを合法であるようにと考えていた人。保安基準や技術基準への適合を考えて各パーツや構造の強度検討をし、需要部品の改造申請にも取り組んできた。
1992年にはTZR250のフレームにRZV500RのV4エンジンを積んだ“TZR500V4”を製作し、輸出した。’93年にはこの車両の国内認可を取得する。さらに’95年にはオリジナル鉄フレーム+RZVエンジンの“ASS-TY001”という車両を製作。この車両では、日本で4メーカー以外で初の、自製フレームでの認可も取得した。
このような異なる性格のモデルを合体させてアップデートさせる手法について、中村さんは「お客さんの熱意に尽きます。何とかしなきゃと思うから」と答えてくれたが、それにしても、ないものを作っていくという製作へのアプローチは、作り手としての熱意あってこそ。
諸規制の影響もあって、ここに挙げたモデルのうち今、提供可能なのはNC431Vのみとなっているが、2015年からは前後片持ちサスの電動バイク、zecOOの製作も受け持っている中村さん。こうして、ないものを形にし、意欲的にライダーとマシンをより身近にするカスタムに手腕を奮っているのだ。
Detailed Description詳細説明
単にエンジン換装だけでなく、外装類もNC431Vというパッケージに合うように新作。カラーリングも単色からオーダーまで対応する。
新作されたのは上記のフロントカウルと、シングルシートスタイルのテールカウル。なお、写真はオートスタッフ末広のサンプル車両のものだ。
スタックST500で速度やエンジン回転数を表示、水温はデイトナ製メーターで表示する。フロントマスターシリンダーはブレンボ製を装着。
フレームや片持ちのプロアーム、ホイールなどはVFR400R(NC30)用を使う。上中央1+下右2本出しの3本チャンバーはオリジナル製作品だ。