機種適合パーツがなくてもカスタムは楽しめる
1995年のGSF1200に始まるスズキの現代大型ネイキッドは、’01年にバンディット1200となり、’06年にモデルチェンジ。その後’07年に油冷エンジン+キャブから水冷1254ccエンジン+FIとしたのが、バンディット1250。乗ればスズキらしい扱いやすさとオールラウンドさがしっかり全面に出たモデルだった。そしてこの車両は、そのハーフカウルバージョン、バンディット1250Sを元にストライカーワークスで手を入れたものだ。
2008年型という年式を感じさせないほどに細部まで手入れの行き届いた感じにも好印象を抱けるが、一方で注目したいのは、カスタムという側面だろう。そのあたりを同店で店長を務める鈴木さんに聞いてみると……。
「マフラー、ステップ変更という具合にカスタムが進んでいって、次の段階をということでホイールを換えようとなったんです。ところがバンディット1250用のラインナップが少なくて、どうしましょうかとオーナーさんと相談しました。それで同じスズキで大型、かつラインナップが豊富なハヤブサ用をコンバートしようと決まったのですが、系列でもない別機種ですし、まあ普通に考えてもそのまま付くわけではないですから、いろいろと検討していきました。
その結果、このような仕様にまとまったんです。ステムから先はフル換装という具合ですが、内訳はそのステムがロア=ハヤブサ、アッパーがハヤブサ用のハリケーン製バーハンドル仕様でステムシャフトはワンオフ。フロントフォークはフルカウルのハヤブサ用ではなく、ハヤブサ系列ネイキッドのB-King用をさらに延長加工して使っています」とのこと。
こうして無事コンバートなった鍛造ホイール、まるでボルトオンのように装着され、軽さや接地感などの効果も上々とのこと。今でこそボルトオンパーツ全盛の時代とはなっているが、工夫して付けるというカスタム本来の流儀もまだまだ健在。この車両にはその流儀がしっかり盛り込まれているのだ。
Detailed Description詳細説明
ベースは'08年型で、外装まわりはハーフカウル仕様のバンディット1250Sのノーマル。スクリーンはゼログラビティに換装している。
左右マスターシリンダーはゲイルスピードに換装、ハンドルバーはアクティブだ。グリップはPROGRIPでバーエンドはファナティック。
アッパーブラケットはハリケーン製でハヤブサのバーハンドル対応品、ロアブラケットはハヤブサ純正で、ステムシャフトはワンオフ製作した。
左にアナログ指針式タコメーター、右に多機能デジタル表示速度計とインジケーターを置くメーター部はノーマル。ETC車載器を追加してある。
前後分割式のシートは前後の表皮とフロント側の形状を変更。タンデムシート前縁にはSTRIKER Racingのロゴ入れも行われた。
φ79×64mm、1254ccのエンジンはヨシムラST-1カムを装着しFIや6速ミッション、フレームなどはノーマル。ステップはストライカー製。
純正のように収まるフロントまわりはこの車両で一番手の込んだパートとなっている。フロントフォークはハヤブサのネイキッド版となるB-King用をベースに延長加工してセット。ブレーキはブレンボラジアルキャリパー+ゲイルスピード・クロスロックディスクだ。
スイングアームはノーマルでタンデムステップバーはストライカー。ドライブチェーンはRKで[純正値:530→]520サイズにコンバートされる。
フルチタンでヒートカラー仕様のインターモデルOFF TYPEサイレンサーを備えるフルエキゾーストはストライカー。前後のホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードType-SB1のハヤブサ用だ。サイズは3.50-17/6.00-17。前後フェンダーもカーボン製を装着。
リヤサスはハイパープロのホース付きタンクタイプ/油圧プリロードアジャスター付き。リザーバータンクはタンデムステップ部にセットした。