安心の定番を確立した上で個性化も図る垂涎の車両
ビキニカウルとセパレートハンドルによってシャープなカフェレーサースタイルで仕立てられた、カワサキZ1。ブルドックによるコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)の2020年後半新作だ。同店・和久井さんが常々考えるGT-Mの「フルに手が入っている一方で、自然なたたずまい」は、ブラックをベースにあえて光らせ過ぎないゴールドを組み合わせたカラーリングからも分かるだろう。
そのカラーは「車両の製作打ち合わせの時にお客さんから“ブラックで行きたい”とお話され、アイスパールという塗料を提案していただきました。フレークがとても細かくなった感じで全体に艶を出しつつ、ブラックの見栄えを良くしてくれるんです」(和久井さん)とのこと。オーナーの要望をきちんと反映するというGT-Mの特徴は、こんな形でも生きてくる。
もちろん内容については最新のGT-Mスペック。エンジンは自社内燃機加工による1197cc仕様+オリジナル6速クロスミッション。吸排気もヨシムラTMR-MJNデュアルスタックファンネル仕様キャブレターに、マッコイ・フルチタンマフラーと、“外しなし”と言える安心の作り。
車体側も17インチホイールへの最適化を図ったフレームにマッコイ・ステム&スイングアーム。同じく現代17インチタイヤを履いて軽量化され、出力特性もこれに合わせたZに合うようにと設定とセッティングを受けたマッコイ×ナイトロン前後サスペンションにラヴォランテ・アルミ鍛造ホイールという、こちらもGT-M最新定番という構成。ここで言う「定番」は、安心して使える裏付けがあるということ。これはもはやメーカーの仕事とさえ言えるレベルにある。その上で使いやすさや上質さも備え、かつオーナーの要望や使い方も反映させて個性も作り出す。
そう考えていけばいくほど、GT-Mの魅力は際立っていく。この車両は、その魅力を備えた1台なのだ。
Detailed Description詳細説明
ビキニカウルおよびヘッドライトライトステーはMccoy。メーターパネルにはスタック製エンジン回転計、モトガジェット多機能メーター等を配する。カーボンボディのミラーはマジカルレーシングNK-1ミラーでハンドルはセパレート、左右マスターはブレンボRCSをチョイス。
ステムキットはMccoyのライトウェイトレーシングタイプでステアリングダンパーはハイパープロ横置き。燃料タンクはMccoyのアルミ製だ。
シートもMccoyスプリームで快適性や質感を高める。サイドカバーの1197はこの車両の排気量を表す。ウインカーも小型化のものに変更済み。
エンジンはピスタルレーシング製φ76mm鍛造ピストンによる1197cc+超々ターカロイ鋼製スリーブ化。内燃機加工はすべてブルドックでの自社加工される。これらによって扱いやすい特性のGT-M“定番”仕様が生み出されるのだ。ミッションもMccoy6速クロスを使用。リヤのワイドタイヤ化に対して適正なチェーンラインを確保する、アウトボード&オフセットスプロケットもGT-Mの定番パーツとして使われるもの。
キャブレターはTMR-MJNφ36mmのデュアルスタックファンネル仕様。エンジンの各カバー類もMccoyで、電装系もコンプリート製作に合わせて一新されている。
フロントフォークはMccoy×ナイトロンのφ43mm、フロントブレーキキャリパーはブレンボCNCでディスクもMccoy×サンスターのコラボパーツ。
リヤショックもMccoy×ナイトロンで、フロントフォークとともにGT-M用にスペシャルチューニング。リヤブレーキもブレンボCNCキャリパー+サンスターディスクを組み合わせる。フルチタンのマフラーはWin Mccoy。パーツカラーのチョイスもボディカラーにマッチさせているのだ。
スイングアームはMccoyアルミ5角目の字断面。前後ホイールはアルミ鍛造のラヴォランテでサイズは3.50-17/6.00-17を履く。