CB-Fのテイストを今も無理なく楽しめる車両
1981年7月26日に決勝が行われた、第4回鈴鹿8時間耐久ロードレース。ここで優勝したのがホンダ・フランスのRS1000(ライダーはマイク・ボールドウイン/デビッド・アルダナ。RS1000はCB-F系エンジンによるレーサーだ)。これを記念して’81年型のCB750FBを元に国内150台限定で生産されたのがCB750Fボルドール2、通称ボルドールまたはFBBだ。
赤いフレームにゴールドホイール、赤×白の塗色はこのモデルだけのもので、オプションでCB900F2用カウル(出荷時には取り付けず、販売店で装着した)/オイルリザーバータンク(当時はオイルクーラーが認可されておらず、あえてこう呼んでクリア)も設定された。
そしてこのバイクは、そんなFBBのきれいなカスタム車……と思いきや、そうではなかった。ウィズミープロフェッショナルレーシングが’12年から展開する“CB1100プロジェクトF”による車両なのだ。現行のCB1100(SC65)をベースにCB-Fスタイルの外装を装着し、修理や維持の不安をなくした上でCB-Fのテイストを楽しめるようにしたコンプリートバイク。
アルミ製燃料タンクやFRP製サイドカバー&テールカウル、CB-Fそのものを加工したシートやCB-Fのテールランプなどで、間違いなくCB-Fと呼べるスタイルを作り出している。
同店のホームページには「歴代CB-Fの純正カラーを再現します」とある。しかし、ここを狙ってくるとは!
TOTなどのイベントでブース出展した際に実物を見たお客さんの反応を見たこともあるが、彼らが本当にきれいなCB-Fを眼前に見ているような気になっていたのが印象的。コンセプト通り、今無理なく楽しむホンダ空冷DOHC4バルブスポーツという意味では十分、いや、堂々と選んでいい1台だろう。
Detailed Description詳細説明
ウインカーはスクエアタイプでCB-F形状を再現したオプション設定の「Fタイプウインカー」。細部からもCB-Fらしさを作り込んでいる。
メーターまわりはCB1100そのままだが、CB-Fのワンボディ2眼式を継承しているため違和感はない。ここではナビケースも装着。
燃料タンクはCB1100プロジェクトF用に起こされたアルミ製を装着している。14ℓ容量を確保し、FI関連パーツも純正から同時移植してある。
シートはCB-F純正を加工、テールライトもCB-F純正品。赤×白のボディカラーはCB750Fボルドール2(CB750FBB)を再現している。
このようにゴールド+シルバーリムとなった状態を見ると、CB750FBBの5本スポーク・裏コムスターホイールにかなり近いと思わせてくれるが、これはCB1100純正の2.50-18/4.00-18サイズ。ニッシン4ピストンキャリパー、φ41mmフロントフォークもCB1100純正装着パーツだ。
左右出しの排気系はワイバンチタン・ツインメガホンのブラック。当時のFVQショックを思わせるシンプルなリヤショックもCB1100.純正パーツ。
フレームもスイングアームもFBB同様に赤で仕上げられるが、リヤブレーキなど制動面や車体まわりは現代の空冷CB1100そのままなのだ。