エフのポイントはパワーより乗りやすさへ移る
エフ=CB-Fシリーズを中心に整備や修理、カスタムを行う安田商会。代表・安田さんももう25年CB750Fに乗り続け、その中で培ったノウハウを他のCB-Fに応用してくれる。この車両もそんな1台だ。
「CB-Fを探していて手に入れたお客さんから『XJRの足まわりを取り付けたい』ということで持ち込まれた車両です。今回その取り付けで前後17インチ化してエンジンオーバーホールと823cc化、あと油圧クラッチ化も行いました。オーナーさん自身も手を入れてますから、ウチでの作業は半分くらいかな」と安田さん。
同店ではXJR1200足まわりコンバートは定番、そのためのウインカーマウントキットなども展開し、エンジンの対策加工(カムチェーンガイドの折れ予防をガイドだけでなくエンジン側でも行うなど、多彩)も行ってきたが、安田さんは今のCB-F事情をこう見る。
「ベース車両、そしてカラーリングはFCが人気のようです。FAやfbでも内容は変わらないと言えるんですが、なぜか最終FCだと気持ちが盛り上がるという感じです。カラーリングもこの車両のようにFCパターン、それに純正FCカラー。ひと頃のようなスペンサーパターンやシルバー一辺倒ではないですね。
カスタムについては、この車両くらいがちょうどいいかなと思います。ちょっと’90年代チックと言うか、手も入ってるんだけどスマートさもあるみたいな。
CB-Fの場合、軽量ホイールだと安定性が少し不足する傾向にあるようで、このXJR純正ホイールくらいでジャイロ効果も高い方が安心できそうです。パワーもそこそこにして乗りやすさ、そこですね」
750も900も1100も試してきた上に、時流も見据えた現在の回答。確かにうなずける話だ。
Detailed Description詳細説明
ステアリングステムもXJR1200でハンドルバーはハーディー・ブランド。左右マスターはNISSINで、回転計はULTRA。右スイッチや他のメーターまわりはCB-Fノーマルを使う。ウインカーもCB-Fノーマルだが、これは安田商会のXJRフォーク対応マウントキットで違和感なくマウントされるものだ。
エンジンは入手前によく回されて距離も出ていたとのことで、今回オーバーホールと外観塗装を行い、MGCメタルギア製油圧クラッチキットとアクティブ・ラウンドオイルクーラーも組んだ。排気量はワイセコピストンによる823ccで、これは750F向けの同店定番いえるもの。
キャブレターはFCRφ33mmのパワーフィルター仕様で、同店は社外キャブレターも年月が経過したら交換を推奨している。フレームはFのノーマルだ。
前後足まわりはオーナー持ち込みのXJR1200用で、フロントフォークもφ43mmに大径化し、ネイキッド車に必要な長さもキープ。フロントディスクもφ320mmとなる(キャリパーはスミトモ4P)。この変更はブレーキも効き、サスもしっかりする“お勧め”とのことだ。
スイングアームも当然XJR1200でリヤショックにはクアンタムをチョイス。ホイールサイズは純正の2.50-18/3.00-18から3.50-17/5.50-17インチとなる。ステップキットはミクニレーシングデベロップメント(現アグラス)製の削り出し品、チェーンはRKの530サイズ(ノーマルの50に同じ)だ。