良いところは生かしてアップデートを加える
「このカワサキz1000Mk.Ⅱは、私がワークス(’06年に閉店)にいた時からのお客さんのもので、もう20年以上乗られています。オーダーは“オーナーさんが自分で見て格好良く、乗って楽しく”で、その通りに出来ているようです。当時は私は足まわりを担当していましたが、今では車両全体の面倒を見ています」(ベアリアス/三好さん)というカスタムバイクを紹介しよう。
ワンオフ感のあるブレーキディスクや、キャリパーサポートを初めとしたアルミパーツ、モリワキスイングアーム等のパーツチョイスはまさにワークス流。この車両を見て当時を懐かしむ人さえいそうな雰囲気が随所にある。
冒頭の三好さんの言葉のように完成後にも手は入っていくが、オーナーと三好さんの間で綿密な擦り合わせがされ、いいものは新たに取り込んで、メンテナンスで十分行けるというものはそのまま継続しているとのこと。
その結果、今(取材は2020年夏)が一番絶好調という状態。カスタムを完成させた上で、さらに好調を維持してもっと長く楽しんでいく。そんな、Zならではの楽しみを更新中なのだ。
Detailed Description詳細説明
上下のフォークブラケットやヘッドライトステー、ブレーキセパレーター等、製作当時の雰囲気も思い起こさせるパーツはワークス製だ。
ハンドルバーはZパーツで、フロントマスターシリンダーはAP・CP3125等々という作りも懐かしさがありつつ、機能の確かさを見せてくれる。メーターは回転計をモトガジェットに入れ替え。燃料タンクほか外装は3年ほど前にアルファテックでリペイントしている。
エンジンはワイセコφ[純正サイズ:70→]71ピストンで[同:1015→]1045cc化、ヨシムラST-1カム組み込みやポート加工等、ひと通りのチューニングメニューがカスタム化の初期段階で施されている。オイルクーラーは、これも懐かしのセトラブ13段、機能もしっかり維持する。
前から下側にかけてヒートガードを備えるキャブレターはTMRφ36mm。点火はウオタニSP2で、マフラーはKERKERメガホンをチョイスしている。
偏芯カムによってペダルストロークを変える機構を持つステップキットやキックシャフトカバーはワークス製。同店はNC加工をいち早く導入していた。ベアリアスはその技術を引き継いでいて、今も多くのNC加工パーツ(含むワンオフ)を製作している。詳細は同店のホームページも参照を。
フロントフォークはモリワキカヤバ(現KYB)、フロントブレーキまわりはAP・CP2696・2ピストンキャリパーにワークス製φ320mm鋳鉄ディスクの組み合わせ。
リヤブレーキはAP製CP2868・2ピストンキャリパーをワークス製サポートでマウント、ワークス製φ250mm鋳鉄ディスクをセットする。
スイングアームはモリワキ・アルミ角型でリヤショックはオーリンズだ。前後ホイールはMAGTAN JB1で、2.75-18/4.00-18サイズを履く。