よく走るZへ、パーツも組み方も吟味する
「エンジンはヨシムラピストンで860ccにしていて、キャブレターはFCRで口径φ33mm。マフラーはモナカ管で……」とメカドックの担当・畑中さんが仕様を説明してくれるこの車両、ベースはカワサキZ2だ。今となってはレア、それだけでもトピックになるが、この車両はさらにセパレートハンドル化や18インチ化など、全体に渡って手が入れられる。
「前後ホイールはPMCソードで角型アルミのスイングアームもPMC。フロントフォークはKYBφ38mmでリヤショックはクアンタム。お客さんと一緒に使うパーツを擦り合わせていって、いいと思われるものをセレクト。こちら(メカドック)ではその機能をしっかり引き出せるように組み上げていくという感じで作業を進めました。パワーチェックしてみるとパワーカーブもスムーズで、実走でもよく走るように仕上がっています」と畑中さんは続けてくれる。
狙った仕様がきっちりと性能を発揮し、走りも上々。車両単体としての出来上がりも上々となったわけだ。セパレートハンドルや、Z2をベースにしたことについてはじつは別の理由もあった。それは同店によるもう1台のナナハンZ(Z750FX。次回、2021年1月13日掲載)との作り比べ。近いスペックで作った上でパーツの違いも楽しめるようにしたとのことだ。
Detailed Description詳細説明
セパレートハンドルはサンセイレーシングで左右マスターシリンダーはAPレーシング。Z2らしさを残しつつ性能はしっかり高めている。
メーターはZ2で速度計は240km/h表示に変更。左右のリザーバーも低い位置に収める。ステムも18インチ対応品に変更。
エンジンはZ2のφ64×58mmをベースにヨシムラピストンで860cc化、カムもヨシムラST-1を組む。オイルクーラーは純正流用品をセットしている。
電気系はPAMSで点火ユニットはウオタニSP2という現代的&確実な選択。フレームもピボット上やショックマウント等、必要な箇所を補強済みだ。
キャブレターはFCRφ33mm。もう1台のZ750FX(次回、2021年1月13日掲載)との仕様違いはパーツの合う合わないや特性違いを比べるためという、興味深いトライだろう。
フロントフォークはKYBφ[純正サイズ:36→]38mmで、フロントブレーキキャリパーはAPレーシング製対向2ピストンのCP2696をマウントする。
アルミ角型のスイングアームはPMC・DRAFTタイプ1でリヤショックはクアンタム。前後ホイールは2.75-18/4.00-18サイズのPMCソードを履く。
リヤブレーキキャリパーもAPレーシング・CP2696でステップはJB-POWER製。ブラックアウトされたマフラーはモリワキのモナカタイプだ。