重要部分をプロに任せ自力でも楽しむカスタム
1993年式ヤマハR1-Zをベースにしたカスタムマシン。オーナーの稲山さんは言う。
「アメリカ・テキサスの4輪カスタムショップ、ガスモンキーガレージ(GasMonkeyGarage)に影響を受け、上はレッドマイカでペイント。下はシルバーやメタル感を出した配色です」と聞いて同ショップのHPを見ると、’50~’70年代の4輪車、それも元は朽ちそうなほどのものを単にレストアするだけでなく、生き生きといかしたスタイルで復活させているなど、なるほどと頷けるビビッド×メタル感がある。
「傷んだパーツを社外部品に換えたのが始まりでした。KP(現在活動終了)でチャンバーを製作したんですが、その当時は車体色が白で、できてきたKPチャンバーの醸し出す金管楽器のような見た目に負けた感じで、外装をペイントしたんです。そこからカスタムが加速しました」と続けてくれるが、その手法はある意味で自身の意思に忠実だ。
エンジンオーバーホールとフロントフォーク加工はOXレーシング、ボーリングは井上ボーリング。またリヤショックはペンタグラムで加工など、要所はそれぞれをよく知るプロに依頼。ほかは自力、もしくは地元のショップに依頼して作業を進める。
そうして冒頭のように、つまり影響を受ける元となったガスモンキーガレージがそうしているように、かつての車両(ここではR1-Z)を生き生きとさせている。しっかりした意思で2スト・カスタムライフを楽しんでいるというのも、素敵だ。
Detailed Description詳細説明
ハンドルは撮影時はハリケーン製セパレートをマウントしているが、気分によってバーハンドル仕様にもしているというという。燃料タンク上に見えるGas Monkey Garageのロゴとモンキーのイラストは本文、影響を受けたというガスモンキーガレージのそれだ。
違和感なく収まるシートカウルはFRP工房OMD製NSRテールシートカウルでMC28テールランプは特製ステーによりカウル側にマウントする。
エンジンはR1-ZノーマルをOXレーシングでフルオーバーホール。キャブレターはOXレーシング・TMφ30mmで、エアクリーナーボックスに加工を施す。
排気チャンバーはこの車両用が製品のベースになったKP手巻きチタン右2本出し。下から中間のトルクが抜群だ、とオーナーの稲山さんは言う。
カーボンに置き換えられたサイドカバーには作業で協力してもらった各ショップのロゴ(OXレーシング、ペンタグラム等)が並んでいる。
フロントフォークはOXレーシングでインナーピストンを加工。フロントブレーキもブレンボキャリパー+サンスターディスクの組み合わせで強化済み。
車体奥に見えるパープルのリヤスプリングはハイパープロ。リヤサスのリンクプレートも変更して車高をアップしている。リヤショック自体はペンタグラムで加工し、前後ともダンパーが効く特性に。ホイールはノーマルを自力でポリッシュしメタル感を高めている。