充実の内容がMk.Ⅱスタイルの中に込められる
さまざまな年代や排気量のモデルが参加できるJD-STERドラッグレース。単純に自身のバイクの性能を全開加速で知ったり、それを隣に並んだ相手との駆け引きや実力競争で試したり、シフトアップや走りの基本中の基本、まっすぐ走るに絞って体験するいい機会にもできる。
そんな中でかつての名車をチューニングしたり、当時もの車両同士で走らせるというクラスが、VSB STREET=ヴィンテージスーパーバイククラスだ。具体的にはストリート用空冷4気筒車(カワサキZ系、スズキ・カタナ系、ホンダCB系など)のワンメイククラス。そのほとんどがフロント19/リヤ18インチ(GSX1100Sは19/17、CB-FはFCで18/18、Z1-Rは18/18)で、そのホイール換装による前後18インチ車は基本的に出場可。17インチカスタム車もセルフスタートできる街乗りバイクなら可でレーサー不可という設定。カスタムスタイルとしても現代の17インチを履くというよりは、各車の現役当時のスタイルを優先といった趣だ。
そのVSBストリートクラスに’25年の第3戦から参戦を始めた川崎さんのマシンがこの車両。ルミナスネイビーブルーの純正カラーの燃料タンクと角型テールカウルあたりからはZ1000Mk.Ⅱかと思うけれど、エンジンを見るとZ1~KZ1000の丸型シリンダーヘッド。同じ1015ccエンジンだからMk.ⅡにKZ1000エンジンを積んだか? とも思えそうだが、その逆で’77年型KZ1000に後継の’79年型Mk.Ⅱ外装を載せたというものだった。手を入れたのは茨城県水戸市のFISCOモーターサイクルズ。その言葉通りにフレームとエンジンは’77年型KZ1000でエンジンはアメリカの老舗MTC製φ72mmピストンで1075cc化してヨシムラST-2カムやAPEバルブスプリングなどとともにスープアップ。
車体側はホイールをゲイルスピードTYPE-Nに履き替えて前後18インチ化するとともにこれに合わせてスイングアームをワイド加工して下側にパイプ補強を追加。フロントはトレール量を補正するようにZ650純正ステムをセット。ブレーキまわりも前後ともAP・CP2696キャリパーにKZ1000S1タイプディスクを組み合わせるといったように、ストリートカスタムとしても押さえておきたい要素がきっちりと押さえられている。
シート下からテールにかけてはスカチューンの要素も取り込んで、全体の印象はシンプル。そして軽く見える。シンプルということは目的も分かりやすいし、セットアップも煩雑化しないメリットがある。そうした良さを生かしながら、丸型の前期型Zに角型のMk.Ⅱ外装とひとひねりのアレンジ。もちろん元の外装でも楽しめるはずで、Zシリーズチューニングの奥深さとともに自在感も感じさせてくれる好例となっている。
Detailed Description詳細説明
メーターまわりにはKZ1000純正を生かしながらETCアンテナも追加され、この車両が普段はナンバーを付けてストリートでも楽しまれていることが想像できる。ステムはZ650に換えることでフォークオフセットをKZ1000の60mmから50mmにし、フロントを純正19から18インチ化した際のトレール量不足を招かないように配慮している。ハンドルバーもこのスタイルに合うZパーツバー、フロントマスターも後の時代の純正品を使うことで違和感なくまとめつつ性能も向上させている。
エンジンはφ72mmのアメリカMTCエンジニアリング製ピストンで1075cc化しヨシムラST-2カムやAPEバルブスプリングなどをセット。
キャブレターはミクニRS34でマフラーはモリワキ・モナカを組み合わせる。オイルクーラーも追加。ステップはスピードショップイトウ製のZ用ステップキット(ゴムステップバー仕様)を使う。
φ36mmフロントフォークの前側(リーディング側)にスピードショップイトウ製サポートを介してAP・CP2696キャリパーをマウントし、S1タイプディスクを組み合わせる。
リヤまわりは純正スイングアームをワイド加工して下側をレール補強、オーリンズショックを組み合わせる。ブレーキはフロントに同じAP・CP2696にS1タイプディスク。前後ホイールは1.85-19/2.15-18のワイヤスポークに代えてMk.Ⅱに近いデザインとゴールドカラーのアルミ鍛造品、ゲイルスピードTYPE-Nを履く。サイズは2.75-18/4.00-18を選択した。








