往年のカフェレーサールックの熟成を車名でも表現する
ヨーロッパに夏の訪れを感じさせるバイク軸のイベント、ホイール&ウエーブス・フェスティバル。毎年6月にフランスの南西部、スペインに近い海沿いのリゾート地、ビアリッツ(Biaritz)で行われて’26年で15周年を迎える。そこにヨーロッパホンダが’20年以降開いてきたのがカスタムコンテストだ。Hondacustoms.comのサイトと実会場の両方で参加車両に対しての人気投票を行い、夏の終わりにその結果を発表する。参加者はヨーロッパ全域のホンダディーラーやカスタムビルダーからの選抜で、エンジンがスタンダードなこと以外は基本的に自由。あとは走れることが念頭に置かれる。
’25年の指定ベース車はGB350S。元々インド発のGB350のバリエーションで、インドではタフでどこにでも行ける上質なオールラウンダー。日本を含めた他の地域ではシンプルにバイクらしさを表現するベーシックシングルという立ち位置の車両と言える。
そのコンテスト(ホンダカスタムズ・コンペティション)で1位のハチマーン(Hachimaan、1月28日掲載)、2位のホンダ ミア(Honda Mia、2月9日掲載)に続く3位を獲得したのがこの車両だ。ドイツ・フランクフルトのホンダ旗艦店Honda Centre(ホンダ・セントレ)のチームが手がけたGrand (B)rix Sporty Bike。
車名はいったい何を意味するのかが気になるから、読み解いてみると、Grand (B)rix Sporty Bike(グラン・ブリ・スポーティバイク)は、Grand Prix(グランプリ)から来るレーシーなイメージに、ワインの成熟度(糖度による)を示す時に使われるBrix(ブリックス、フランス読みでブリ)を組み合わせ、往年のカフェスタイルを熟成させたスポーツバイクという内容を表現したと取れる。
実際に車両は’60年代から続くカフェレーサースタイルをシングルエンジンのGB350Sにしっかり投影しつつ、低めでアグレッシブな角度のセパレートハンドルやその先にマウントされるバーエンドミラーで力強いスポーティさを表現。エキゾーストパイプへのヘダーラップ(サーモバンテージ/エキゾーストラップとも。エキパイ内の温度を保ち、排気流速を維持して出力向上を狙う)も当時のスタイルを引き継ぐ。ブラックとゴールドのカラーコンビネーションは往年のレースシーンを彷彿させつつ、そのことで時代を超越したルックスを演出するという作りだ。
シンプルなGBだからこそ狙える、かつ違和感がないカフェレーサースタイル。ブラックに染め上げることがその格好良さのひとつだったものに、ゴールドのアクセントを入れて時代を超える。そしてアンダーカウルや削り出しボディのミラーなどの進化したパーツ。これらがブリックス=成熟の度合いを示しているとも言えそうだ。このスタイルのGBも、純正ラインナップに出てきてもおかしくないところがまたいいのかもしれない。
Detailed Description詳細説明
車両のフロントエンドを低く作るためにトップブリッジは低いものになり、ハンドルバーもアグレッシブな角度で設定。その先にはカフェレーサールックを完成させる実現する削り出しボディのバーエンドミラーを備える。純正のフラットなメーターも生かせた。またヘッドライトサイドのガーニッシュはゴールドでアクセントとした。
セミダブルクレードルフレームのフロント下に付いたアンダーカウルは、ブラックフィニッシュの中にゴールドで日本列島(かつてヨーロッパで呼ばれた“黄金の国ジパング”が元ネタか)をあしらう。
シートもゴールドでカスタムステッチを入れて全体を調和。リヤショックはリザーバー付きに変更し、そのリザーバーとアジャストナットをゴールドにした。リヤフェンダーはカットし、シートエンド下にナンバーを置いた。
ホイールは純正のブラックキャストにゴールドのリムストライプとHONDAロゴを追加。スプロケットナットやドライブチェーンもゴールドカラーでブラックとのバランスを取った。







