安定性も重視した仕様でライダーの腕も上げていく
JD-STERドラッグレースのヴィンテージスーパーバイク(VSB STREET)クラスはカワサキZやスズキ・カタナ、ホンダCBなどの空冷4気筒モデルでストリート仕様を基本としている。カワサキZには当然ながらZ1000J/RやZ1100GP、GPz1100といった後期型モデルも含まれる。
そんな中でK&Mレーシングからエントリーする上森さんのZ1000Jは、後期型Zへの弱点対策も行い、トータルでの安定性を高めるという方向でのチューニングが行われる。既に1度、この欄でも紹介しているが、改めて見てみよう。
手を入れたのはZAPレーシングサービス。まず弱点対策は、左リヤエンジンマウント部の補強だ。後期型Zはフロント側がラバーを介したマウント、リヤはリジッドだが左は長いシャフトで支持するような構造。このためドライブチェーンでエンジンが引っ張られ(加減速で揺すられ)、支持シャフトの曲がりやマウントの割れが見られることが多い。その対策を行ったということだ。
後者の安定性向上については、単なるスペックアップという形を採らず、そこそこ(それでも十分な内容は持たせる)のチューニングによって維持費も抑えながら、その安定した性能をライダーが常に引き出せるようにしてタイムを詰める。つまり車両側の性能が一定していればその引き出し方やライダー側の経験の積み上げができる。長く楽しめていくという具合だ。ZAPレーシングサービス・長谷川さんはその排気量を1075ccに設定、その上でヘッドまわりを重視したチューニングによって出力を引き出しながら調整する。この仕様で120PS、ヘッドまわりをまだ進めればもっと出せるという余裕も作り込んだ。
なるほどと思える思想と構成、壊れなくてポテンシャルが高いというのは確かに魅力的なのだ。
Detailed Description詳細説明
Z1000JをベースとしてZ1000R角タンクを載せ、ビキニカウルを含めた外装はZ1000R。シートはKZ1000S1タイプに張り替えた。ステムやメーターはZ1000J純正でハンドルはZパーツ・ハンドルバー、またヨシムラ・デジタルテンプメーターを追加する。フロントマスターはニッシンラジアルを使う。
エンジンは'81年型Z1000Jを元にワイセコφ72mm鍛造ピストンで998から1975cc化。ヘッドを1.8mm面研して圧縮比を10.25:1に上げている。ZAPレーシングサービスではヘッドチューニングを重視し、この車両ではAPE特注420カムをキブルホワイトバルブスプリングなどに組み合わせるなど行う。ドラッグレースらしい装備としては遠心力でクラッチの密着力を高めるMTCロックアップクラッチも組まれる。総じて細かい弱点対策とパフォーマンス&耐久性のバランスが光る仕様となっているのだ。
吸気はCRスペシャルキャブレターφ33mmで排気系はKERKER・4-1メガホン。エンジン左後ろマウント部のフレーム補強も行われる。ステップはスピードショップイトウ製。
フロントフォークはφ38mmの純正をセッティング、ドラッグレース時は写真のようにタイダウンベルトで引いてローダウン化する。フロントブレーキはAP・CP2696キャリパーにフローティングディスクを組み合わせる。
リヤサスはPMCアルミ角型スイングアームにオーリンズショックの組み合わせ。以前の紹介時はワークスパフォーマンスショックだった。リヤブレーキはAP・CP2696キャリパーをスピードショップイトウ製サポートでマウントし純正ディスクに組み合わせる。前後ホイールはハイポイント・モーリス製アルミキャストで2.75-18/4.00-18インチとした。








