安心&信頼の定番仕様にオーナーの好みを加える
KZ1000を元にスリムな燃料タンクなど角型デザインの外装やビキニカウル、4-1メガホンマフラーを装着し、前後18インチで’77年にリリースされた“メイクス・カフェ”(メーカー製カフェレーサーモデルのこと。実際にもこう呼ばれた)Z1-R。そのスマートな印象をそのままに、現代的に洗練したと思えるこの車両。アニーズによる手が入っている。
「オーナーは、以前紹介していただいたグリーンタイガーのZ1のオーナーさんの友人で、コンセプトはその車両と同じなんですよ」とアニーズ・寺田さん。そのZ1は2025年9月15日(ここをクリック!)に紹介しているので見てみると、17インチのフルカスタムを基本として、速くして遠くに行けて峠も走るというオーダーがされていた。
そのオーダーに対して寺田さんは“軽さ、乗りやすさ、格好良さ”を提案。そこに使われたのは、アニーズの定番と言える仕様だった。エンジンは鍛造ピストンでの1200cc仕様、これはトルクが出せて神経質な感じはなく、スロットルの開け閉めで乗れる余裕も生んでくれる。FCRキャブレターの口径をあえてφ37mmとこの排気量に対しては小径として低回転からの付きを良好にするのも同じ(ファンネルはそのZ1のロングと異なり、Z1-Rではショートを選んだ)。
車体は前後17インチ化するとともに不要な部分を外し、乾燥重量で200kgを切る軽さに仕立てている。先述のトルクと寺田さんが心がける適正車体姿勢が組み合わされれば、軽快な走りは容易に想像できる。そうした定番をベースとし、各部はオーナーの好みで仕立てる。ブルーサンダース製チタンメガホンマフラーはそのひとつだ。
ほかにも車種独特のポイント、例えばZ1-Rではパーツがないというような部分にも対応。ここではシートロックやキーセットがないところに手を入れ、イグニッションもシートもワンキーで操作できるようにした。
さらにカラーリングも寺田さんの提案をオーナーと詰めながら、日陰ではブラックに見え、日が当たると鮮やかなグリーンメタリックが分かるという飽きない仕上げとした。定番の上にいくつも用意出来るバリエーション。これなら思わず依頼したくなる仕上がりだ。
Detailed Description詳細説明
Z1-Rのすっきりしたスタイルを強調するような仕立て。アメリカンドリームPRIDEステムに低めのバーハンドルをセットし左右マスターはブレンボRCS、ミラーにはマジカルレーシングNK-1ミラー・タイプ3ヘッドをセットした。
メーターはZ1-RからZ1系純正に換えた上でその純正ケースの右側にSTACKクラブマンタコメーターST200をインストール。ヨシムラPRO-GRESS2テンプメーターも加える。
日陰では黒(フロントカウル写真や左横向き写真のイメージ)、日に当たると鮮やかなメタリックグリーン(右向きの大写真)という魅力的な塗装が外装に施される。燃料タンクもアルミ製だ。
シンプルなステップはスピードショップイトウ・Z用ステップキット(アルミ削り出しバータイプ)。油圧式に換装したクラッチのレリーズはウイリーのZ1/2/MK-II用油圧クラッチシリンダー(TYPE-III)で、ドライブチェーンにはD.I.Dの525ZVMXを選択。
エンジンはアニーズ定番と言える1200cc仕様をワイセコK1200鍛造ピストンで実施しPMC製エンジンマウントでセット。クランクケース左にはアニーズ・Z系 レーシングエンジンカバー:ジェネレーターカバーを装着、ラウンドタイプオイルクーラーも追加される。フレームもネック下やピボット部ほか補強が入る。
吸気はFCRで通常1200ccにはφ39mmを選ぶところをあえてφ37mmとして低回転からの付きもよくしている。
排気系はブルーサンダース・メガフォンタイプの別注チタンを使い、全体のルックスに合わせるとともに軽さも獲得。カーボンのクラッチカバーはアニーズのZ系 レーシングエンジンカバー:クラッチカバーだ。
フロントフォークはオーリンズRWU、フロントブレーキはブレンボP4-40Cアキシャルキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスク。ホイールはMAGTAN JB1で、17インチの設定が基本的にないがアニーズで特注した3.50-17/5.50-17サイズを履き、これもルックスをしっかりまとめてくれた。
リヤブレーキはブレンボP2-CR84 2Pリアキャリパーにサンスターディスク。
リヤサスはアルミ角型のアニーズオリジナルスイングアーム[17inch]にナイトロン・ステルスツインR3ショックの組み合わせとする。








