いいなと思ったゼファーでどこまで作れるかも楽しい
ライダーとしてリターンした後に400ccのZRXに乗っていて、もう少し大きい排気量のに乗ろうかと考えたところゼファー750と1100が浮かび、どうせなら大きい方をと1100を選択。縁があってつながっていた福島の方から写真だけ見て山梨から買いに行ったんですよというオーナー・窪田さん。ノーマルに近かったA9ゼファー1100にその後自ら手を入れていき、7、8年ほどでこの姿になったのだという。
複数ブランドのパーツ、またビレット系パーツも比較的多く使いながら、どこかが突出した感はなく、むしろスマートにまとまった感がある。ベースとなった火の玉カラーに合わせたパーツチョイスも効いているのだろうか。フロントフォークボトムケースのブラウンカラーやボトムピースのゴールド、オレンジ色のリヤショックスプリングを見ていくとそうも思えてくる。
「他の車両や雑誌なども見てかっこいいのを参考にしてはいるんです。ただ私の場合、何かパーツを付けるときには“この次はあれ(他のパーツ)を付けるだろう”ということも考えて、二度手間にならないような形で全体を考えながら付けるというようにしています」
窪田さんは言う。窪田さんは4輪のショップを運営しているから、その目で見てきた車両のバランス感覚というのも効いているのだろう。塗装はそのひとつか。
「元の火の玉のオレンジは残したかったんですね。それでサイドカバーや前後フェンダーはカーボン製に換えているんですけどそれらも一体化して見えるように塗っています」
なるほど、これもパーツの色とともにまとまりを作っていた。いいなと思ったバイクだから、どこまで行ける(機能的によくなる、かっこよくなる)かも楽しみたいという窪田さん、仕上がったこのゼファーでサーキット走行もするという。「特筆することはないんですけど」と謙遜する窪田さん。でも、好きだからこそのまとまりと要点を押さえた手の入れ方は、十分参考になるし、それこそが特筆点と言えるだろう。
Detailed Description詳細説明
ヘッドライトは社外の旧車用ガラスレンズにスフィアライトLEDの組み合わせ。メーターケースの間の部分もカーボン地としている。メーター周部のURL(www.kawasaki-motors.com)文字もアクセントとしてうまく働いている。左右マスターはともにゲイルスピード・エラボレートだ。
ステムはスカルプチャーステムKIT Type1でフォークオフセットをフロント17インチ仕様に適正化。ハンドルバーはパワービルダー・スーパーローをセット。ヨシムラPRO-GRESS2マルチメーターも追加される。
ベース車の火の玉カラーを生かしながらサイドカバーなど各部に配したカーボンパーツも同様のテイストで塗装して全体のまとまりを作る。シートはデイトナCOZYシートTYPE S1を使う。
ステップは1ポジションのストライカーステップキット。サイドカバーはしゃぼん玉製ZEPHYR1100用 カーボンサイドカバーSET(強化タイプ)だ。ドライブチェーンにはEK ThreeD 530Zをチョイスした。
エンジンはノーマルベースで左右のカバー類をウイリー製3Dビレットに変更しオイルパンをナイトロレーシングのカットタイプに変更。点火はウオタニSP2で、パワーチェックで後軸104.40PSも出している。オイルクーラーはアクティブ・ラウンドタイプ13段だ。
キャブレターはTMR-MJNφ38mmでオーバーホールとセッティングも行い、排気系はパワービルダー特注の手曲げ鉄管メガホンマフラー。
キャブレター後ろに配されるオイルキャッチタンクはワンオフ品で外側にオイル確認クリアパイプも持つ。
オーリンズRWUフォークは新品をG-SENSEであえてバラして調整するとともに各部をカラーアルマイトして組み取り付けた。フロントブレーキはブレンボ・アキシャルレーシング4Pキャリパー+サンスターセミオーダーのプレミアムレーシングディスク。
リヤブレーキはブレンボ2ピストン・ハードアナダイズドキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせだ。
リヤまわりはSD BROSでウイリーBIG目の字/ハイトコントロールスイングアームをオーダーして装着、ブルドック別注ナイトロンショックを組み合わせた。ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードType-Rで3.50-17/5.50-17サイズとし、リヤフェンダーはストライカー・エアロデザイン“SAD”リアフェンダーのカーボンをセットした。








