あまりにも自然に見えてかえって通な仕様に仕上がる?!
CB750(RC42)にCB750F(RC04)の外装がそのまま、かつ自然なルックスに見えるように載せた新しいコンバートスタイルのカスタムを見せてくれたステージ1の風間さん。今回はその手法のルーツと言える、これまた楽しそうな1台を紹介しよう。
そんな前提を置いた上でこの車両を見ると、誰もがなるほど、ゼファー750カスタムかと思うはず。ちょっと詳しい人なら角型のシリンダーヘッドカバーあたりからZ750FXを丸型外装にしたかと思うかもしれない。じつはこれ、ゼファー系エンジンをリヤモノショックと組み合わせたオールラウンドスポーツモデルのZR-7がベース。そう聞けばリヤのモノサスに納得が行く。でもなぜこうなったのか。
「私はゼファー750も持っているんですけど、市場の価格が上がってしまって、なんだかあんまり気軽に乗れなくなってきたんです。ところがほぼ同じエンジンを積んでいるZR-7は安いので、手に入れてみたんです、それでこれなら手軽にそうだし、兄弟みたいな車両ですから今までストックしてきたゼファー用パーツが付くんじゃないかな? と思ったのがきっかけでした」
風間さんは明るく教えてくれる。実際に同じエンジンの兄弟機とも言える両車は、ゼファー750は日本で、ZR-7は欧州で大きな人気を得た。そうして風間さんはゼファー750の外装が無加工で純正パーツのように載るように、ZR-7側のフレームやシートレールを溶接加工し、ゼファー750側の純正同様にマウント部を作っていく。
「それがゼファーとZR-7ではフレームは似ているようで、じつはちょっとずつ違いました。そのあたりは調整しながら、ゼファー用パーツが付くようにしました。ゼファー750純正パーツも、ゼファー750用社外パーツもどっちも付くといいかなという考えで作業を進めていったんです」
実際のところ、ドレミコレクションのZ2 Style外装は社外パーツではあるけれど純正と同じように付けられることを前提にした設計だから、純正外装が付けば同じように問題なく付く。その外装コンバートとともに前後ホイールにZRX1200、スイングアームにZZR1200、そしてステムにゼファー750を組み合わせ、ディメンションも調整してこのように完成。風間さんの狙い通り、気軽に乗れるお出かけ車としても使われているようになった。ただ、と風間さんは続ける。何だろう。
「なかなかこれがZR-7と気付いてもらえないんです(笑)。パッと見もそうですけど、フロントまわりとかエンジンまわりを見て、ゼファー750にドレミ外装を付けたZ2仕様かあって思われるんでしょうね」
嬉しい悲鳴というか何というか。リヤまわりを見てモノショックだと気付いた人は間違いなく“これ何だろう?”が楽しめるはずだから、じっくりと見てほしい。
Detailed Description詳細説明

モノサスや現代モデル調の直線ラインをベースとしながらもネイキッドのZR-7はゼファー750に近い丸目ヘッドライトを持っていたのでこの部分だけではじつは見分けが付きにくい。クラッチレバーはZETAフライトパーチに換装した。

キーシリンダーを上に露出させるため、ステムはゼファー750を使う。2眼のメーターはZR-7ベースに回転計をULTRAとしたらそのパネルが黒だったので速度計をZRX1200用として黒で色合わせした。ハンドルはHARDYバー、ヨシムラ・デジタルテンプメーターを追加する。

ただ付けようとしたのでなく、ゼファー750の純正外装がそのまま付くようにZR-7側のフレームやシートレールを溶接加工、同様に車体側取り付けステーや取り付けボスも加工。外装はゼファー750純正同様にマウントできるドレミコレクションZ2 Style外装セットで燃料タンクは同セットに含まれるスチール製。用意出来ればゼファー750純正外装にすぐ着せ替えられる。

上面にパターンを施した(ZR-7純正はパターンなし)ダブルタイプのシートもゼファー750純正が付いている。

フレームやエンジンはZR-7で、ジェネレーターカバーなどは手持ちのゼファー750用パーツを活用した。フレームのピボットキャップはZ900RS用を流用するが、ピボットシャフトのねじ部が当たる(シャフトがほんの少し長いため)ためにキャップの内側を削ることでクリアランスを取り、干渉させずに装着。こうした工夫も聞いていて楽しい。エンジンスライダーはストライカーだ。

キャブレターはFCRφ35mmで、これに組み合わされる排気系にはパワービルダー・チタンメガホンを選択した。

前後ホイールはZRX1200で3.50-17/5.50-17サイズに。フロントフォークはゼファー750のφ41mm(ZR-7も同径)。フロントブレーキは他モデル用ニッシン4ピストンキャリパーとゼファー750純正ディスクを組み合わせる。

スイングアームはZZR1200(ステッカーは別)でブレーキは他モデル流用キャリパー+ウェーブディスク。ショックが見えないここだけ見ればZR-7だが、車両全体の印象はまんまゼファー7500だ。

ステップはストライカーで、フレーム側のマウント部を加工して装着。このステップはヒールプレートにタンデムステッププレートが付いていて、そこにタンデムステップもマウントしてしまえるのがいいとのこと。そうでなければZR-7にはタンデムステップが付けにくいということだ。