外観は懐古的に、足まわりは先鋭的にを柱にアップデート
プロトが今春の東京や名古屋のモーターサイクルショー用に製作したZ900RSカスタム。’23年の同車では’90年代カスタムブームの香りをタイガーカラーのドレミ製Z2 Style外装とともに表現したが、今回は角型、同じくドレミの新作Mk2 Styleをまとった。その上で各パーツもアップデート。ちょうど丸タンクの空冷Z(’73年)が新しい時代のデザインを取り込んで角タンクのZ1000Mk.Ⅱ(’79年)になったのと同じように、この車両でもカスタム面も進化させたという。
その内容は、基本的には前作同様に各社パーツ扱い元としてのプロトの立ち位置を表現するもの。とは言え、自社開発品のアピールを目的とした各メーカー/ショップのそれとは少し異なり、まさに膨大な量のブランド/パーツ群を扱う中から、どれを選んでいくかはじつは難しい作業だ。一般のカスタムならそんな時間や経過も楽しみの中にあるが、デモ車として時間の制限もある。
そうした中で、機能に加えた新しさをテーマにいくつかのパーツが選ばれた。ひとつは先述の外装。’24年に発表して’25年には予約受付中製品となった新しさがある。もうひとつは、エンジンサイドに配されたサブフレーム。’24年末に登場したウッドストック製で、パイプ材でなく、何とアルミブロックから削り出しで製作したという。その強さと新しさでの採用となる。
さらに、だ。フロントには’24年発売で新たに冷却フィンを備えたブレンボ・モノブロックCNC削り出しキャリパーのGP4-MSを装着。プロトがブレンボの扱い元であることから、ストリートのフラッグシップモデルを見てもらおうという気概。マウントはプロトオリジナルのブレンボ対応ボルトによる。
他のパートもOVERスイングアームにゲイルスピードType-Nホイール、ノジマGT手曲げDLCチタンフルエキゾーストにプロトオリジナルのEFFEXイージーフィットバー/ローダウンキットと、このMk2 Styleに似合うパーツをセレクトしてパッケージング。
Z900RSに似合う外装、パフォーマンスパーツを組み合わせる中にも見え隠れするカスタムへの熱意。それがいい見本車の下地になっているのかとも思わせてくれる。
Detailed Description詳細説明

シートやタンクも含めた外装はドレミコレクションの「Z1000Mk.2 スタイル 塗装済み外装セット ブルー」で構成してある。

ハンドルバーはグリップ位置がやや手前となり腕に余裕が出るイージーフィットバーPlusに交換し、クラッチホルダーにはEFFEX スムースフィットレバーを組んだ。

フロントブレーキマスターにはラジアルポンプでレシオ可変式のブレンボRCSコルサコルタマスターシリンダーを組み、コントロール性とタッチ向上を狙う。

ステップはウッドストック Z900RS (17-)バックステップキットのオールブラックでスプロケットカバーはOVER RACING スプロケットカバー チェンジアシスト付を組み合わせた。ドライブチェーンはエヌマThreeD 525Zだ。

948ccの直4エンジンや鋼管トレリスフレームはZ900RSのノーマルで、シリンダーサイドにタイトなクリアランスで沿っているのがウッドストック製のZ900RS(17-)アルミニウム総切削 サブフレーム サイド。過度を極力落としたメイン材+流れるようなデザインも特徴となる。

エンジンまわりではほかにドレミコレクション製ジェネレーターカバー Z1タイプ/ポイントカバーセット Z1タイプやチタニウムパワー・チタン ラジエーターコアガードが備わる。

φ41mmの倒立フロントフォークはノーマルでフロントブレーキはプロト×ブレンボ・オフセットカラーマウントボルトセットでブレンボGP4-MSキャリパーをマウントし、ブレンボSuper Sportディスクを組み合わせた。

リヤブレーキはキャリパーをブレンボGP2-SSキャリパーに変更。排気系は独自のスパイラルコレクター(SC)を持ったノジマ GT手曲 DLCチタンフルエキゾーストだ。

リヤショックもノーマルでスイングアームはOVER RACINGスイングアームTYPE10のブラック。アルミ鍛造のホイールはゲイルスピードTYPE-N、サイズは3.50-17/5.50-17。これにロングライフツーリングタイヤながらストリートでの多彩な用途に応えてくれるブリヂストンT33の120/70ZR17・180/55ZR18サイズを履かせている。