17インチコンプリート車を元に細かくグレードアップ
サンクチュアリーのコンプリートカスタム、RCM(Radical Construction Manufacturee)によるCB1100RD。最初は作り置き販売車両の「RCMクラフトマンシップ」として手が付いたものだ。
「クラフトマンシップ車両を作る時は条件がいくつかあって、それはまずベースとして良好な車両があること。次いで使えるパーツが用意されていること。消耗品、カスタムパーツともですね。そして私たちスタッフに製作する時間や手間等の余裕があること。あくまでオーダー製作のRCM(クラフトマンシップRCMに対してフルオーダーメイドRCMと呼ぶ)が優先なので、この余裕は難しいですけど。
このRDでは運良く良好なベース車を入荷できて、それに合わせてクラッチバスケットやカムチェーンテンショナーなどの、入手の難しい消耗品も手に入ったんです。その時に私たちの余裕も少しあって、作ろうと。3割程度作業が進んだところでオーナーさんが付いたのですが、私たちの狙う仕様とオーナーさんの考えがかなり近くて、当初の想定から換わったのは左右のエンジンカバーをゴールドにしたくらいだったんですよ」
こう、サンクチュアリー中村さんは経緯を言う。そうなるともうオーダー製作車両と言っても良さそうだ。主な仕様は前後17インチ化とそれにともなうディメンション設定/車体補強、エンジンの再構築に足まわりのアップグレード。フレームは最小限の補強を行ってリヤショックをレイダウン。CB-Fではショックマウント部の左右幅が狭いので幅が広がったリヤタイヤの干渉を防ぐようにマウント部同士の幅も調整するが、CB-Rの場合は元も広いため、無理なく収まる。スイングアームなど、同店の母体、ノーブレストでCB専用品を用意していないパーツはZ用を元にして加工流用。エンジンは同店内燃機加工部門のDiNxでバルブ打ち替えやシートカット、ボーリング&精密ホーニング、クランクバランス等を行った後に精密組み立てと、作りはストレート。
この車両では冒頭の製作条件が揃ったが、今は製作の余裕がないことや良好な車両が見つけにくい、リプロ含めたパーツがないことで、作り置きのCB-Rコンプリートはこれでラストかもとも中村さん。CBの難しい現況も示してはいるが、オーダー製作には対応する。ぜひ相談を。
Detailed Description詳細説明

メーターはカーボンでパネルを起こし、左にスタックST700SR速度計、中央に同ST200回転計、右に同ST3309油温計を配置。ハンドルはデイトナの削り出しセパレートハンドル/クランプを使う。

アッパーカウルを低めにマウントしCB1100RD純正カラーはキャンディやパールの質感を現代的にアレンジしてフルペイント。フロントマスターおよびクラッチマスターはブレンボCNCレーシングでミラーはマジカルレーシング・レーサーレプリカミラー・タイプ5ヘッドだ。

CB1100RDの純正色で仕上げた外装は奥進が担当。シートは純正を張り替えしている。

ステップはナイトロレーシングで、スプロケットカバーにはシフトスピンドルシャフトをベアリング支持するジェイズ・ドライブスプロケットカバー CB-F/Rを装着。

ブラックガンコート仕上げのエンジンはφ72mmのヴォスナー鍛造ピストンで1062.5から1123cc化し精密ボーリング。カムやバルブは純正だがバルブガイド入れ替えやシートリングカット、クランクダイナミックバランズ&ジャーナルラッピング等の内燃機加工をDiNxが担当。フレームは測定修正後に6カ所を補強しリヤをワイドレイダウン加工した。

キャブレターはTMR-MJNφ38mmをヨシムラ・デュアルスタックファンネル仕様で使う。

排気系はナイトロレーシング・4in1“ウェルド”クラフトチタンEXマフラーに同ヴァリアントチタンサイレンサーの組み合わせ。

ノーブレスト・倒立E×MパッケージのZ用を加工してスカルプチャー倒立ステムKIT Type2(Type2はセパレートハンドル対応品)やオーリンズ倒立フォークをセット。フロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクφ320だ。

リヤブレーキにはブレンボGP2-SS CNC 2Pリアキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスクφ250をチョイスした。

スイングアームはスカルプチャーワイドR.C.M専用品のZ用を加工しオーリンズ・グランドツイン・リヤショックに組み合わせる。ホイールはO・Zレーシング・アルミ鍛造のGASS RS-Aで3.50-17/6.00-17サイズを履く。