カスタムに興味を持ってもらい踏み込めるような作りも
ハードからソフトまで多くのパーツを扱い、ブレンボ製品の日本扱い元でもあるプロトによるKATANA M2。’25年初頭にも1度紹介しているが、3月の東京モーターサイクルショー等に、進化した姿を現した。その内容と全体感を、担当した同社・吉田さんに聞こう。
「新たにフロントディスクをブレンボTドライブとして、フロントブレーキがフルブレンボ化しました。前後フェンダーもマジカルレーシング・カーボンになって、ドライブチェーンはThreeD(スリード)、リヤスプロケットもXAMから間もなく(当時)発売されるスチールゴールド。
全体としては私がかつてのカタナやZ、CB-FにGPZ-Rのカスタムが好きなこともあって、その風味を出してみたいと。ベースは新しいKATANA、これは私も気に入った車両なんですけど、同時にプロトのカタナでもないといけない。
それらを考えた上で、外観はヨシムラ・ウインドアーマー(スクリーン)で空冷カタナに寄せることができると考えました。その上でプロトが扱うブレンボ製品によって、きちんと止まる性能とその時のフィーリングを高めていく。同じくアクラポビッチマフラーではチタンサイレンサーを選ぶ。
自社製品のブレーキラインであるスウェッジラインの車種専用品はKATANA用の市販も始まったのですが、著名カスタムビルダーさんがワンオフできれいに車体に合わせるのを参考にして取り回ししたりとしてみました。カーボンフェンダーもその一環です。KATANAにはGSX-R1000K5ベースという強力なパワーユニットがありますからむしろ足まわりを重視して、このようになりました」とのこと。
吉田さんは’24年秋のEICMA(ミラノショー)も訪れ、欧州のカスタムはスーパースポーツのブレンボパーツでのアップデートや、アクラポビッチマフラー、カーボンパーツ等を使ってGPマシンの手法を採り入れていることを認識していた。プロトはそれらの製品を扱っているから、その手法も採り入れたわけだ。新しいものと往年のミックス。
と同時に、この車両の装着パーツはプロトを通じて買えるわけで、これをカスタムの入り口と考えて参考にしてもらい、カスタムの世界を楽しんでほしいとも吉田さん。
今後もハンドルまわり等、手を入れるところはあるし、日々瞬間で考えていますとも続けてくれるが、その“次の段階”にも期待は高まる。
Detailed Description詳細説明

ヨシムラ・ウインドアーマーで空冷カタナ風味を出し、フロントマスターはブレンボRCSコルサコルタに変更しリザーバータンクとそのステーにプロト・ブレンボを使う。

ミラーボディ前後にカメラを置く、DRIDEのミラー一体型ドライブレコーダーポリゴンタイプは注目パーツだ。

純正のターンシグナル付きスイングアームマウントリヤフェンダーに換えて、ヨシムラ フェンダーレスキットKATANA 19でフェンダーレス化。

ウッドストックのフルビレットステップ、バックステップキット オールSLVをセット。スイングアームピボットシャフトや前後のアクスルシャフトはKOODのクロモリがセットされる。ドライブチェーンはエヌマThreeDだ。

998cc直4エンジンはそのままに、エッチングファクトリーのラジエターコアガードとヨシムラ・レーシングスライダーキットPRO SHIELDを追加。

排気系にはアクラポビッチ・スリップオンライン チタンJMCAをセットし、そのカーボンヒートガードとともにカスタム感も高める。このようにプロト扱いの市販パーツを巧みに使う点も参考にしたい。

前後ブレーキの強化もポイントで、プロトブレンボ・キャりパーマウントボルト&オフセットカラーでマウントされるブレンボ484カフェレーサーキャリパーには今回ブレンボTドライブディスクを組み合わせた。

リヤブレーキはブレンボP2-CR84キャリパーをOVER Racing Rキャリパーサポートによってマウント。前後ブレーキホースはプロト・スウェッジラインで、よりきれいな取り回しを工夫している。

前後フェンダーとチェーンガードは新たにマジカルレーシング・綾織りカーボン製とした。スプロケットはX.A.Mのタフライトゴールドだ。