ファットタイヤを履いた印象を実際に見せる役目も持つ
空冷Zから現代のハヤブサやNinja ZX-14Rまで、いわゆるUSスタイルのカスタムを次々と紹介&提案してきたクラスフォーエンジニアリング。その最新デモ車となるZX-14Rだ。同店が扱うアメリカのホイールブランド、RCコンポーネンツ製の鍛造ホイール「Laguna」(ラグーナ)を履くのが最大の特徴だ。デモンストレーションはどのような位置づけにしているのか、同店・横田さんに聞いた。
「ウチの場合、デモ車は作ると“ほしい”という方が現れて、この車両の前に作ったハヤブサもそうでした。今回はベースに14Rを選んでます。基本は扱いホイールの実演みたいなもので、お客さんから問い合わせがあった時に『このような見栄えになります』などのように、実際のサイズ感を掴んでもらうのに役立つんですね。この車両ではリヤは18インチ径で240幅のタイヤを履いているんですが、太いリヤタイヤへの要望は多くて、それにも対応するというようになっています」
迫力のあるルックスを作るために太いタイヤを履く。もう35年以上前に横田さんがクラスフォーエンジニアリングをオープンしてZカスタムを続々送り出した頃(その当時もリヤにワイドタイヤを履きたいから当時のレーサーレプリカが履いたような17インチ・ワイドホイールを使ったりの手法を使った)から変わらない欲求が今もあることへの回答か。ほかの仕様についても続けてもらおう。
「僕自身が乗るなら、ということで240幅にしているんです。18インチ径なのは今ハーレーダビッドソンの純正で240/18を履く車両があって、タイヤ選択肢もかなり増えたことも理由のひとつです。それでこの太さを履いて迫力は出しながら、車両全体でなじみ感が出るようにスイングアームは最低限で4インチ(約10cm)延長。それでスイングアーム垂れ角が付いて、タイヤ外径も大きくてリヤが高くなってしまうのでローダウンリンクを使ってその高さを抑えるように調整。フロントはフロントフォークを少し突き出して、全体をちょっと前傾させてドラッグレースイメージも作っています。峠を攻めるのでなければ普通に、そこそこ走れるようになっていますよ。
ほかはブードゥーのスリップオンEXですけど、これは使ったことがなかったので自分でも音がどうなのかなども知りたかった。そんなにうるさくないし、軽くなるのでいいと思います」
ドラッグレースやバガーレースを介してアップデートされるUSパーツシーンも取り込んだスタイル。車両は同店HPでも販売していたがこのほど買い手が付いたようで、横田さんはまた新しいデモ車の構想を練ることになるだろう。
Detailed Description詳細説明

ベースは2013年型で外装はペイント、ミラーはショートステー仕様に換装される。

セパレートのハンドルやニッシン・ラジアルマスターは純正のまま。「このあたりは今後購入希望者が現れた際に好みを反映させていくところなので現状では手を入れていません」(横田さん)とのこと。

シートまわりも純正だが、ここも今後のオーナーの好み。全体の見た目の高さなどにも配慮している。

1441ccの直4エンジンやアルミモノコックフレームも純正。走行距離は撮影時点で2万1000kmほどだった。

フロントはφ43mm倒立フォーク/ニッシン4Pキャリパー/ウェーブディスクとも純正の構成。

まず240幅タイヤありきでそのラインナップが豊富(17インチだと少ない)な18インチを履くべく、リヤホイールも18インチ径。そのタイヤ外径が大きいのと10インチロングスイングアームで上がるリヤ車高を補正するのにリンクはBrock's Performanceのローダウンリンクに変更している。

注目のホイールはRC Componentsの新作軽量アルミ鍛造品、Lagunaでサイズは3.50-17/8.00-18インチ。リヤには6.25-17サイズのラインナップもある。240幅タイヤを履くためスイングアームは同じRC Componentsの4インチロング(内幅も取ってある)とし、ディスクはサンスター製φ240mmに換装。なおタイヤはフロントがダンロップ・ロードスマートIIIの120/70ZR17サイズでリヤがエイボン(AVON)のコブラ・クロームで240/40VR18サイズ。リヤショックは純正だ。排気系はVooDooRacingのサイレンサータイプスリップオン・ステンレス。