入手したZ1000を存分に楽しむための“改”
「カスタム製作を依頼してくださったオーナーさんの指定する場所に納車に行ったら、そこにお洒落なライダーズカフェが開かれていたんですよ」というアニーズ・寺田さんの言葉に導かれて訪れたのが、ドルチェカフェ R/U(Dolce Cafe R/U。https://www.instagram.com/dolcecafe.r_u/)。そのオーナーは、地元で建築業を営むヤスフク建築の、安福 守さん/梨絵さんご夫妻。ともにカワサキZ系に乗るライダーで、ここで紹介するのは奥様の梨絵さんが愛車とする’77年型KZ1000だ。
そもそもはアニーズ・寺田さんが愛知Zミーティングに持ち込んだ販売車両に、梨絵さんがひと目惚れ。その車両をベースとして、自分好みに仕立て直したというものだ。
カスタムの内容は前後17インチで気負わず、現行車に近い乗り味をという、守さんのKZ1000LTDカスタム(後に紹介予定)と同様としている。両車ともにギルドデザイン製のゼファー1100用ステムを加工流用して装着するが、これは「ウチ(Anny’s)のスイングアームとの組み合わせで、ストリートで使いやすい車体姿勢が作れるから」と、寺田さんは言う。この、正しい車体姿勢の設定はアニーズで車両製作を行う際に留意する点で、これが正しければ自ずと車両はよく走るという。また、オーナーが女性ということをさりげなく感じさせるような美しさを持った“青火の玉”のペイントも、寺田さんが懇意にするアメリカンドリームによるものだ。
「今も昔も、ウチで行う実作業の大半はこのようなストリートカスタムの製作や修理、メンテナンスなんですよ。確かに最近はZ系は多いんですが、他車種の相談にも乗っています」とも寺田さん。オーナーの好みを聞いて、必要な箇所だけ助言する程度ですよとも言うが、さすがに長年多彩なZ系カスタムを手がけ、支持されてきた手腕はこのようにきっちりと生かされ、仕上げにも磨きがかかっている。
Detailed Description詳細説明

ステムはギルドデザインのゼファー1100ステムKITを加工流用して使う。メーターは純正を元に右側ナセルにスタックST200クラブマンタコメーターをセット。フロントマスターはブレンボRCS、クラッチ側はカワサキ純正流用でレバー位置調整可能としている。円盤形ボディのミラーはハイサイダー・ロッドミラー・モンタナ ブラックだ。

オーナーの体格を考慮して、足着きを優先しながらシート高さ/形状やハンドル高さ等のポジション、また車体姿勢はストリート用に整えられる。

エンジンはワイセコφ73mmピストンを使っての1105cc。キャブレターは黒アルマイト処理したビトーR&Dの75mmロングファンネルを備えたFCRφ35mmを使う。マフラーはアニーズにデッドストックされていたワイバン製を装着。

ワイヤ作動のBILLETクラッチリリースキット(スプロケットカバー)はPMC製。ステップはスピードショップイトウのZ用ステップキット(アルミ削り出しバータイプ)を備える。

車両の選択時点から前後17インチ化されていて、フロントまわりもその仕様を継承。オーリンズRWUフロントフォークにアメリカンドリームのZRX1100/1200R オーリンズ正立用 ブレンボ40mmピッチ フロントキャリパーサポートを介してブレンボ鋳造4ピストンキャリパーをマウントしサンスター・φ320mmカスタムディスクを組み合わせた。

リヤブレーキはブレンボP2-RS84 2P リアキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスクという仕様だ。

リヤサスはオーリンズ・ブラックラインにアニーズ製Original Swing Arm [17inch]の構成。ホイールは車両の選択時点から装着されていたゲイルスピードType-Rで3.50-17/5.50-17サイズを履く。ドライブチェーンはRKの525XXWを装着する。