新しいパーツによって製作中にもアップデート
ブルドックの17インチコンプリートカスタム・GT-M(Genuine Tuning Machine)の近作となるZ1。これも今からZ系に手を入れることを考えたときに大きな参考にしていい1台だ。「Z1の形でやれることはすべて盛り込んでまとめた車両です」とブルドック・和久井さんも言うように、1200cc仕様にマッコイ×ヴォスナーコンロッドによるクランクリビルド、オリジナル6速クロスミッションにこれもオリジナルでエンジン塗色に合わせたブラック仕上げがされるマッコイ・乾式スリッパークラッチ等によって構成されるエンジンは、ほぼ現代フルスペックと言っていい。
吸排気もヨシムラ・デュアルスタックファンネル仕様のTMR-MJNキャブレターにGT-M専用の“ウインマッコイSWB”チタンマフラーを組み合わせ、先述のエンジン内容を生かすとともに、特別感も演出する。
車体側も同様に、クランクセンターを基準位置として取ったフレームとその加工、さらに前後17インチに適した設定を持つマッコイステムキット、軽くなり17インチに合わせたセッティングのマッコイ×ナイトロンフロントフォークや現代的でありながらZに合うデザイン、かつアルミ鍛造でマグに匹敵する軽さを持ったラヴォランテ・スフィダーレホイールと、丸タンクのZで今の最新仕様を表現するとこうなるという好例を見せてくれる。
GT-Mはここに挙げた仕様=オーソドックススタイルのフレームのみならず、2024年に3台限定で用意し即完売したリミテッドエディションのようにシートレール位置から変えていくスペシャルなどにも応じて進化を続けていると言えるが、これからはどうなるのだろう。
「まだ、“これをZに使えるといいな”と思えるような機能を持ったパーツやアイデアはあるんですよ。それらを具体化するようなパーツは開発していきます。製作中の車両に使われるパーツもそうしたもので、車両の製作期間が新パーツの完成と重なった時、“こういうパーツも出来ました”とオーナーさんに相談すると、それも組んでほしいですという具合に取り込んで最新&最良の仕様が作られることもあります。
作業内容に関してはこれ以上ないレベルに到達していると思いますけど、そうしたパーツの日進月歩の進化がありますから、Z、GT-Mはまだまだ進化する。いや、終わりがないんです」
他の新型車や最新技法の良さにも注目し、それをZに取り込んで進化させる。このように最新のZを見るのも楽しみだが、それを見るからこそ、次は何が来るかにも俄然興味が湧いてくる。
Detailed Description詳細説明

マッコイ正立φ43mm用ステムキットにマッコイセパレートハンドルをセット、ブレンボRCS左右マスターとオーリンズステアリングダンパーをマウントするコクピット。メーターは純正にヨシムラPRO-GRESS1テンプメーターとPROTECシフトインジケーターを追加する。ミラーはマジカルレーシングNK-1ミラー・タイプ1ヘッドだ。

ウインカーは超小型LED製品を装着する。写真はフロント側でマッコイ・ヘッドライトステーによってヘッドライトの横にマウントされる。

リヤ側のウインカーは純正のウインカーマウント部に超小型LEDのものを装着。

アルミ燃料タンクはマッコイ。シートはマッコイ・スプリームで操作性や乗り心地を向上した。

Z1をベースとしたエンジンはピスタルレーシングφ76mm鍛造ピストンによる1200cc仕様でヘッドにオイルバイパスを追加。多数のチタンピースから構成される排気系はGT-M用の“WinMccoy SWB”だ。

ミッションはマッコイ6速クロスでクランクはマッコイ×ヴォスナーコンロッドによるリビルドを受けている。キャブレターはTMR-MJNφ38mmのデュアルスタックファンネル仕様を組み合わせる。

φ43mmのフロントフォークはマッコイ×ナイトロンでフロントブレーキはフロントがブレンボGP4-RXキャリパー+マッコイ×サンスターφ320mmディスク。

リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパーにサンスター・プレミアムレーシングディスクの組み合わせ。

リヤサスはマッコイスイングアームにオーリンズ・ブラックラインショック(KA963)をセット。前後ホイールはオリジナルのアルミ鍛造品、ラヴォランテ・スフィダーレで3.50-17/6.00-17サイズを履く。ドライブチェーンはRKの520XXWだ。