タイヤ特性を生かすべくホイールも進化を重ねる
AMAスーパーバイクで活躍した’82年型北米仕様CB750FC純正、いわゆるスペンサーカラーを施した’20年型CB1000Rカスタム。アドバンテージが自社ホイールブランド、EXACT(イグザクト)のプロモーションを行うために製作したデモバイクだ。
「僕ら世代はCBと言えばスペンサーカラーですが、それをそのままCB1000Rの外装に施すのは難しくて、懇意にしているペイントショップ、モリタ・デザインさんに協力いただいて何本も試作デカールを作った上でこのデザインがまとまりました。テールまわりもTKファクトリーさんによるワンオフ品を使っています」と、アドバンテージ・中西さん。テールがコンパクト化されテールカウルを略した現代のCBにコンパクトなテールカウルを加えた上で、かつてのCB-Fのラインを違和感なく採り入れた。これはなかなかのものだ。
その外観同様に目を惹くのは、やはりそのホイールだろう。アルミ鍛造のEXACT2(イグザクト・ツー)をボルトオンで履く。片持ちのリヤにはほかに市販品のない6.25-17サイズを履き、タイヤはブリヂストンのプレミアムスポーツ、S23が組み合わされる。
「弊社ではブランドへの信頼感からブリヂストン製タイヤを推奨していますが、ここでリヤホイールに6.25インチを使ったのは、純正190/55-17から1サイズアップした200/55-17サイズでのS23の標準適用リムサイズが6.25だから。その標準値に合うものを履けば足まわりのセッティングを出しやすく、無用なトラブルも避けられるからなんです」と中西さん。
以前、同じリヤ片持ちのNinja H2に6.25幅のEXACTホイールと200幅のブリヂストンRS11タイヤを組み合わせた時とも同様だった。タイヤのパフォーマンスをホイール側でも最大限に引き出す。そのためにタイヤが求めるサイズにホイールを合わせるということ。またEXACTホイールは、同じデザインに見えながらもリム形状など、時代に応じて変わるタイヤに合わせたアップデートも施しているという。
実走でも軽量化と剛性最適化によってコーナリングがさらに楽しめるようになるとのことで、スペンサースタイル同様に、片持ちスイングアーム車へのホイール選びにもこのCB1000Rは十分な参考になってくれるはずだ。
Detailed Description詳細説明

燃料タンクやメーター/ハンドルまわりはCB1000R純正で、全身にモリタ・デザインがスペンサーカラーを投影した“CB1000F”仕様となっている。

CB1000R純正ではテールカウルはないが、CB750Fのダックテール&サイドカバーを彷彿させるサイド一体シートカウルをTKファクトリーがワンオフして装着。こうしたスタイルがほしい、CB1000Rの魅力がアップすると思うユーザーも多いのではないだろうか。

ホイールとブレーキディスク以外は基本的に'20年型CB1000Rノーマルベースだが、999cc直4エンジンのクラッチフリクションプレートにはF.C.C.による開発途中品が組まれる。

ステップや4-1+右出しサイレンサーもCB1000R純正そのままだ。

前後足まわりも純正ベースだがホイールはアドバンテージ・アルミ鍛造で10本スポークのEXACT2レーシング10に換装。フロントは純正に同じ3.50-17サイズを履く。タイヤもブリヂストンS23で純正同サイズの120/70ZR17。

フロントブレーキディスクは、インナーとアウターの接続部を点でなく面としてローターのひずみを抑え焼けや熱の問題をクリアする、オリジナルのアドバンテージ・ダイレクトドライブレーシングディスクに換装している。

リヤブレーキまわりはCB1000R純正。片持ちのため右側はこのようにホイールマウント部が露出する。

リヤの履いたEXACT2レーシング10ホイールのサイズは純正から1サイズアップの6.25-17インチで、リヤタイヤはブリヂストンS23の200/55-17。このタイヤサイズの標準リム幅指定値が6.25のため、それに合わせた選択。ドライブチェーンもD.I.D 520ZVMXのゴールドカラーでホイール色と合わせた。