タイミング良く入手でき味わいもルックスも堪能
’24年10月の「SUGO 2FUN AUTUMN/VINTAGE」のパドックイベントのひとつとして、現地で自薦エントリーして来場者の皆さんに投票いただく形で行われたカスタムバイクコンテスト“バイクビルドオフ”。ここでは都合9台がエントリーしてエントリー開始から午後まで車両を展示/投票受け付け。その展示中にも見ていく人たちから「マーヴェリックだ」「トップガンだ」という声が多数聞かれたシンさんのA7ニンジャが、堂々の得票1位。その通りに映画「トップガン」(1986年公開)の主人公、マーヴェリック(ピート・ミッチェル/演:トム・クルーズ))が乗る車両をレプリカしたものだ。
「元々ニンジャは憧れだったんです。もう古いモデルになっていますけど、いじる分には自分で出来るところは自分で全部やりますので問題ない。でも、パーツを探したり手に入れるのは難しいなあと考えていたんですけど、行き付けのレッドバロン奥州(註:レッドバロンは自社で販売する絶版車用パーツの再生やストックも行っている)にいい車両が出てきたんで、買いました。最近のことです」とオーナーのシンさん。この日もツーリングを兼ねて自走で会場・スポーツランドSUGOにやってきていた。
車両はエンジンや足まわりなど多くのパートはノーマルで、変更された部分=アップハンとマフラーも入手時の仕様。いい車両とシンさんが言うとおりに状態も良く、各部のチェックも兼ねて整備も進めてニンジャの味を楽しみながら、シンさんはずっと考えていたというひとつの計画を実践した。
「『マーヴェリックレプリカ』です。マーヴェリックも大好きで、とにかく彼の車両にルックスは寄せたかったですから、外装も元々装着されていたものから、オリジナル製作したものに載せ替えました。燃料タンクやサイドカバーに貼っているマーク類は、私がレプリカ製作をしようとしたところにちょうどタイミング良くオークションに出ていたものを、見極めて手に入れて使っています」
シンさんはマーヴェリック・レプリカ用の資料集めに往復2日かけて兵庫県・神戸市のカワサキワールドでの現車展示(トップガンの続編、『トップガン・マーヴェリック』が2022年に上映されるのに合わせたもの。マーヴェリックの現愛車となったNinja H2カーボンとともに、このGPZ900Rも36年の時を経た姿で登場し、このイベントでは両車が展示された)に行ったそうで、そんな熱量も得票の後押しになったのかも。今後もレプリカを進めていくとのことで、その進んだ姿もまた見せてほしいと思えた。
Detailed Description詳細説明

ベースはA7でフレームやステムはノーマル。ライザー装着でバーハン仕様にされていたとのことだが、楽に乗れたとシンさん。ハンドルブレースに付けられたアヒル隊長のヘルメットがマーヴェリック仕様になっているのもポイントだ。

外装はカワサキワールドで実車確認した後に中央塗装でこのマーヴェリックカラーに塗装(元は黒×金)、燃料タンク前端のアメリカ海軍戦闘機兵器学校(NFWS)用や各部隊のステッカーを集めた上で換装して現車のルックスを再現。

シートはデイトナのCOZYシート。シンさんは自身でも多くの車両を整備し、この車両も整備して自走して会場に訪れたため、シートバッグもそのまま付いている。

908ccの水冷DOHC4バルブ直4エンジンやステップもノーマルだが、状態は良好。パルサーカバーはウイリー製を装着。

キャブレターは純正のCVK34。これに組み合わされるマフラーは車両入手時点で付いていたツキギ製TRレーシングで、アップハンとともに'90年代ニンジャカスタムの感じも見せてくれるものだ。

φ41mmフロントフォークやTOKICO4ピストンキャリパー等のフロントブレーキはノーマル状態だが状態は良好。

リヤブレーキもノーマル状態。これからもレプリカ度アップを進めるとのことだ。

ガスショック&エキセントリックチェーンアジャストスイングアームのリヤサスまわり、3.00-17/3.50-18サイズの3本スポークキャストホイールはA7ノーマルのまま。