装着パーツが次々アップデートされるテストベッド
’70〜’80年代旧車向けリプレイス&チューニングパーツの開発・販売を主業務としてきたPMCが、現行モデル向けに新たに興したブランド、ARCHI(アーキ)。そのアーキが主力とするZ900RS用にリリースされる同車向けカスタムパーツ群は、まだまだその勢いは止まるところを知らない。’24年シーズンのZ900RS用製品群のテーマは『ARCHIファンに向けての手元パーツをより煌めかせるオプションパーツの開発』とされ、このZ900RSはこの夏までに加えられた新製品も加えられた、同社デモバイクの最新仕様だ。
まず押さえておきたいのは、’18年のZ900RS発売から間もなく送り出されたARCHIロングテールカウル。わずかに反り上がりながら伸びやかに延長した形状をもって一躍人気アイテムとなり、それは今でも変わらず続くものだ。
「純正同様のABS樹脂素材、そしてARCHIならではのこだわりのデザインが評価していただけたのでしょう。ほぼ毎年変更される、外装色にいち早く対応してきたこと、そして納期の早さも魅力となったはず」と理由を教えてくれたのは、同社販売促進課の清水昭尋さん。同テールカウル専用のタンデムグラブバーも売れ筋アイテムになっているという。
もうひとつ、Z900RS向け製品でARCHIの柱となったというタックロールシートも、デザイン自体は定番(別の見方をすれば、それは多くのニーズがあるということ)だが、美しい縫製や車体ツライチのデザインへのこだわり、そしてシート厚を20mm下げることでの足着き性改善、ライダー側シート内に疲労軽減用ゲルを配置するなど、多くの快適性を重視した姿勢が、オーナーたちに受け入れられた結果だ。
そんなARCHIが今目指すのは、前述のように既に同ブランド製品を使うユーザーが、より愛車のカスタムを深化させる製品の開発。ARCHIパーツがそれだけで終わらないように発展性を持たせることなどが当たる。一方で先のシートも一気にバリエーションを広げていることにも注目だ。
つまり、細かく製品の枝葉を広げてARCHI製品を使うユーザーの選択肢を増やし、結果、それぞれが他にない自分だけのZ900RSを楽しめるようにする──。同車オーナーなら、その動向からまだまだ目が離せないはずで、この車両はそのイメージ作りにも役立つということだ。
Detailed Description詳細説明
Z900RS用『スロットルキット』は巻き取り径Φ32、Φ36、Φ40mmの3種を同時発売(純正はΦ36.5mm)。スロットルボディは銀/黒/金。専用スロットルワイヤーは、ARCHIツーリングハンドル等のアップポジションハンドルにも対応する。全長120mmの貫通式グリップ付きで1万5400円(価格は'24年12月中旬のもの。以下同)。
PMC販売するCGCヨーロピアンタイプウィンカー用の『ミラーコーティングウィンカーレンズ』も新発売となった。真空蒸着による特殊めっきをレンズとボディサイドに施したもので、点灯時にはウインカー機能もきちんと発揮する。シースルーミラーコーティング・オレンジ、シースルーミラーコーティング・クリア、フルミラーコーティング・クリア、フルミラーコーティング・オレンジがある。ウインカーサイズはΦ45mmとΦ50mmの2種類。すべて各1万8150円(4個セット)。ウインカーベース部に写るハニカムライトステーカバー(汎用ウインカー対応)は2万4200円だ。
LEDアクリルプレートでスタイリッシュなイルミネーションを演出する『LEDリングポジションテールランプ』。ポジション時は周囲の、ブレーキング時には中央のLEDが点灯する。スモーク:2万2000円、クリア:2万350円。
デモ車で装着しているシートは『グロスレザーシート』。艶やかな光沢のある上品なレザー表皮でシート背面部にはARCHIロゴをプリント。ブラウンも用意する。3万8500円。本文で触れた人気アイテムの「タックロールシートAssy」は等間隔に厚みを持たせたロールデザインを持ち、20mmのシート厚低減での足着き性の向上、ゲル内蔵でライダーの疲労も低減。3万8500円。「ヴァイパーシート」はライダー側をドットパンチまたはスエード調バックスキンで仕上げている。レッド、イエロー、グレー、ブルーの4色のステッチカラーとともに選択可能。各5万5000円。またダイヤモンドパターンの存在感を生かすために、ウレタンとは別に厚みのあるスポンジを縫い込んで立体感とボリュームを演出した「ダイヤモンドステッチシート」(3万8500円)はブラウン、ブラックありと、セミオーダーというべきシートバリエーションが揃っている。
エンジン周辺パーツに加わったのは『ステンメッシュラジエターチューブセットver.2』。2本のラジエターホースは専用金型から製作、自然なアールを実現した。端部のアルミECONO-FITはクローム、レッド、ブルー、ブラック、ゴールドから好みで選べる。価格は3万3000円だ。
エンジンまわりを引き締める「アルフィンカバーシリーズ」はシリンダーヘッドのフィンと同一の厚さ、間隔のフィンを持たせていて、アルミ切削品。ARCHIロゴ付きでリニューアルされた。ダイナモカバー:1万9800円、クラッチカバー:2万3100円、パルサーカバー:2万900円。