腕によりをかけて贅沢と言える高質と乗りやすさを作る
「私も昔からナナハンゼファーが好きなんです。なのでこの車両は“軽くてキビキビして、いいな”と、好きなところと言うか長所を伸ばせるまとめ方をしました。大きく手を入れているのはエンジンと外装です」
こう、ショップ メローズの中川さんが言うゼファー750。入庫したのは途中の段階、あまり状態が良くなかったところからとのことで、中川さんはそのチェックから始めて各部を見直していった。いいパーツは選ばれてはいたけれどもそれに対して走りや見た目が見合っていないと判断し、取り付け方も確認して再バランスしていく。このあたりはメローズ/中川さんの本領とも言えるところだ。
大きく手が入ったというエンジンは4万5000kmでオーバーホールされ、現在はSOHCエンジニアリング製φ69mm鍛造ピストンを組んだ810cc仕様。鉄腕(中川さんの名前に由来していて、中川さんが腕を振るうという意味)ポーティングSPEC1.5に各部バランス取りにシフトドラムやシフトフォークへのWPC加工。さらに外観ガンコート仕上げにカバーをバフ仕上げした上でクリアセラコートと、確かにフルスペックメニュー。
フレームはパウダーコート仕上げし、電装も足まわりも同じように手を入れていった。外装はドレミコレクションZ2Styleのイエローボール仕様でまとめ、このパッケージを完成させる。いや、まだやりたいことはあるという。
パーツが新品になるからという単純な理由ではなく、取り付ける側の状態を良くして、パーツが機能を発揮できるようにしておく。その上で対象パーツが正しく取り付けられる。そんな作業の繰り返しで、このように手を入れるごと、走るごとに調子も、ルックスも良くなっていったという車両。メローズでは“ゼファー750 リュクスカスタム@鉄腕”と呼ぶ。リュクス(luxe)はファッションで言う“自分にとって本当の贅沢品”。鉄腕は前述の通り。その呼び名も、この仕上がりからは納得がいく。
Detailed Description詳細説明
ステアリングステムは製作者不詳ながらワンオフのショートオフセット仕様で、メローズでさらに加工。EFFEXハンドルバーにはハーディーブレースを組み合わせる。メーターは速度計を260km/hスケールにしエンジン回転計はスタックST200を純正ケースにビルトイン。フロントマスターはブレンボ・RCSコルサコルタ、クラッチホルダーはコーケン。タンク上にはマトリスT21ステダンキットがセットされる。
外装にはドレミZ2 Style=ゼファー750 Z2タイプスチールタンクセット(エアプレーンキャップ仕様)をチョイスした。
シート下にはBagus! 製小物入れ(写真左側/バッテリー前)も備えるなど、細部まで手が入るのが分かる。
メタリックグリーンにイエローの火の玉パターンによるカラーリングはイエローボールだ。
4万5000kmでオーバーホールしたというエンジンはSOHCエンジニアリング製φ69mm鍛造ピストンで810cc化し、スロットルワイヤもローフリクション化してパワーもレスポンスも高めている。スタータークラッチもO/H、レギュレーターもMOSFETとしASウオタニ・フルパワーKITと組み合わせるなど弱点対策もしっかり行われる。フレーム前側にはモリワキエンジニアリング製スキッドパッドも備える。
キャブレターはTMRφ36mmキャブレターで、対する排気系にはBagus! 4-2-1チタンマフラーを選択した。
フロントフォークはオーリンズRWUで前後アクスルシャフトとピボットシャフトはJBパワー・クロモリ。フロントブレーキはブレンボ・レーシング4Pキャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。
リヤブレーキはゲイルスピードCNCマスターにブレンボCNC 2Pキャリパーを組み合わせる。ステップはストライカー・ステップキットを装着。
リヤサスはオーリンズKA747・グランド・ツイン・ショックにOVER・Type9スイングアームに加工を追加したものを組み合わせる。ホイールはMAGTAN JB4で3.50-17/5.50-17サイズを履く。