その都度の最新仕様を採り入れるフルコンプリート車
多くの車両を扱う中でゼファーシリーズがひとつの軸となっているバグースモーターサイクル。とくにゼファー750では排気量拡大メニューを用意し、今の定番は850cc化にまで進んだ。この車両はその都度のバグースの最新仕様を取り入れながら約10年進化を続け、バグース・ゼファー750の見本のように仕上がったフルコンプリートカスタム車だ。
ゼファー750といえば純正で738ccの空冷2バルブエンジンを持ち、コンパクトな車体と元からの前後17インチにφ41mmと登場時(’90年)の750クラスとしては上々の現代的な足まわりを持っていた。それでそのコンパクトさや運動性能に目を付けたライダーが好んで使うというシブ好みの車両でもあった。
元々Z650由来だったエンジンだからこの738ccで吸排気系を変更というのが主だったが、カスタムブームやビッグネイキッドブームを経る中で、車体側の良さを生かしながらエンジン(パワー)のスープアップが考えられ、その手法として排気量拡大が挙がった。810ccや830ccと、これが上限か? と思える排気量がそのうちに定番化し、バグースモーターサイクルと同店・土屋さんはその先陣を切る存在でもあった。
それが今では850ccもOKという段階に来ていて、そのパンチある小気味良い特性でバグースで希望するオーナーが増え、最新の定番となったということだ。加えておけば、810cc仕様を楽しんだ人が次のオーバーホールタイミングでリフレッシュを兼ねてもう少し余裕が出せる830cc化をする。それで走り込んでも、さらに850も可能という安心(これ以上のボーリングが無理、にならない)利点も生んでいるのだという。
このゼファー750カスタムは、その象徴的な仕様とも言っていい。10年に渡って各部を変更していて、エンジンは最新定番の850ccにツインプラグヘッドを組み合わせた仕様。前後足まわりの強化なども同店のコンプリートメニューできちんと設定があるし、オプションの組み合わせも行われている(ここではスマートさと迫力をミックスしたような足まわりがそうだ)から、エンジンパワーの増加をきちんと受け止めてくれる設定になっている。
要はどの方向に持っていくかということ。軽く、捌きの良いゼファー750をベースにしたエンジンも車体も小気味よいパッケージ(土屋さんはガンガン走る傾向の方が選ぶ方が多いです、とも)は、なるほど支持されるわけだと思わせてくれる。
Detailed Description詳細説明
30mmオフセット(純正35mm)のBagus! オフセットステムキット・ゼファー750φ43フォーク用でオーリンズ正立フォークをセット。ハンドルバーはパワービルダー、フロントマスターはブレンボRCSでクラッチホルダーはアコサット。ヨシムラPRO-GRESS2メーターはBagus! まるみえくん(ステー)でマウントされ、自然な視線で見ることができる。
タイガーパターンを彷彿させながらラッピング塗装などもミックスしたオリジナルの外装ペイントはトライバルスターによる。
テールカウルなど外装はドレミコレクションZ2Style。シートはBagus! のアルカンターラ仕様で操作性や質感も高めている。その下にはBagus! 一体式フェンダーレスキットが収まり、シート下部収納スペース容量も確保してあるのだ。
ステップもBagus!でドライブチェーンにはEK ThreeD 530Zをチョイス。
エンジンはバグースでも人気の850cc仕様で、Bagus! 850ccピストンフルキットを使いヘッドはツインプラグ化されている。増えた熱はBagus! オイルクーラーで放出される。
キャブレターはBagus! FCRキャブキットΦ35、排気系にはBagus! フルチタンマフラー“バグ管”を組み合わた。
前後のホイールはマルケジーニのアルミ鍛造、M10S Kompe-Evoで3.50-17/5.50-17サイズ。フロントブレーキまわりにはブレンボ・アキシャル4PキャリパーにBagus! ワークスエキスパンドディスクをセットした。
一方のリヤブレーキはブレンボ2Pリアキャリパー+サンスター・ワークスエキスパンドディスクの組み合わせだ。
リヤサスはオーリンズ・グランド・ツインリヤショックにBagus! プレスフォーミングスイングアームを組み合わせる。完成度を維持しながらその都度の進化を図ったということも細部の構成からよく伝わってくる。