マフラーを主にしつつ将来を見据えカーボン領域も拡大
’21年の発表・発売以後堅調に推移し、市場にもなじんだ現行のスズキ・アルティメットスポーツ、Hayabusaの3代目モデル。初代、2代目とともに刻んだ25年超の歴史もしっかりと背負う立場にある。そんなHayabusaを自社のひとつの柱(ちなみにもうひとつの柱はカワサキZ900RSだ)と位置づけるカラーズインターナショナル/ストライカー・ブランドは、現行モデルの登場当初から多くのパーツを開発してきた。この車両は、そんなストライカー・パーツ群を装着した’24年夏時点の最新仕様と言える1台だ。
目を惹くパーツも複数ある中で、やはり注目したいのはマフラーだろうか。’22年〜HAYABUSA用マフラーでは業界でただひとつ(’24年8月現在)という車検対応の1本出しチタンフルエキゾースト。『STRIKER INTER MODEL SC FULL EXHAUST OFF-Type B JMCA シングル』。4-2-1レイアウトで、重量は約5.2kgと、純正マフラー比で約75%、約15kgの軽量化が可能になる。しかも前述のように純正の左右出しから右1本出しサイレンサーになることで、視覚的な変化も大きく出来る。これは大きな魅力だ。
その近くに見える『G-STRIKER スイングアーム パワーディメンション Type-S(スタビ付き)も気になる一品。異型目の字(トリプルスクエア)断面の7N01材を本体に採用し、上側にパワーディメンションタイプのスタビライザーを追加している。Hayabusaのスポーツ感を高めるにも、先のマフラーと組み合わせるにも適したアイテムと言えるだろう。
このふたつでも十分な注目に値するが、ストライカーらしいパーツはまだある。街乗りやツーリングから、峠などでの披露を軽減しつつスポーツ性を高める定番と言える『STRIKER Sports Touring concept“STC”STEP KIT』。Z900RS用を皮切りに登場し、独自の削り出しステーで質感も高めてくれる『STRIKER アルミビレットフェンダーレスキット』。これらでHayabusaはよりスポーティになる。
注目はまだ終わらない。各部に配されたカーボンパーツ群がある。直近のリリースとなった『STRIKERエアロデザイン“SAD”ウイングレット』と、『STRIKERエアロデザイン“SAD”リアフェンダー』。カーボンパーツについては、ストライカーはドレスアップパーツと位置づけているが、この新作ウイングレットには機能性も付加されている。
「『こんなパーツはできないか』というお客様からの提案がウイングレットの発端なんです。当初はMotoGPオマージュのドレスアップパーツとして考えましたが、やはり空力パーツの側面もありますから、走行中に車体がブレたり想像を逸脱した動きをして、ライダーを危険にさらすわけにはいきません。それにストライカーはストリートを楽しむ皆さんのためのブランドですから、100〜120km/hまでの法定速度域で効果が体感できる製品作りを意識しました。装着して実走すると、ほどよいダウンフォースが効いて、しっとりとフロントが安定する効果を体感していただけるはずです。他のパーツの存在感を薄めない、目立ち過ぎないデザインも意識しての、この形でもあります」とは、同社の現代表、髙橋さんの弁。創業者にして現EA(エクゼクティブ・アドバイザー)の新 辰朗さんが築いてきたマフラーや削り出しパーツ群に、新しいチャレンジを上乗せする。その上乗せが、見ての通りに好マッチングしている。このウイングレットは人気上々とのことだが、それは納得いく。リヤフェンダーも従来型用の流用でなく、あえて現行にジャストフィットするように新開発という点もこのバランスを生んでいるのだろう。
ストライカー・ブランドで初となったドライカーボン製の『STRIKER エアロデザイン“SAD”エアロフロントフェンダー』、現行Hayabusaのひとつの特徴でもあるめっきパーツの存在感を少し落ち着かせたいというユーザーの声に応じた『STRIKERエアロデザイン“SAD”カーボンメーターサイドフラップ』、『STRIKERエアロデザイン“SAD”カーボンサイドカウルガーニッシュ』も、なるほどと思わせてくれる上に、単に樹脂でなくカーボンで置き換える点にも魅力が加わる。「カーボンはポイント的に使う方が映えると思うんですよ。ウイングレットでも説明しましたが、他のパーツの主張を妨げないデザインにこだわりたい。見た人が気づく程度に収まるように、製品化の際は気を遣っています」との髙橋さんの考えはこう製品に反映されている。
このように、マフラーと削り出し品を中心にしつつ、カーボン領域も拡大するストライカー・ブランドの思想と、拾い上げられたユーザーの声をミックスしながら作られたHayabusaパーツ群。この車両がそうであるように、すべてを装着しても過剰なことなく、スポーティでカッコイイというテーマを、見事に実現しているのだ。どれもが買えるパーツ。単品で楽しむのも、揃えて楽しむのもいい。
Detailed Description詳細説明
マフラーは「STRIKER INTER MODEL SC FULL EXHAUST OFF-Type B JMCA シングル」(34万1000円〜35万7500円。価格は'24年9月時点、以下同)は発表時点で'22年〜Hayabusa用マフラーでは業界唯一という車検対応の1本出しチタンフルエキゾースト。4-2-1レイアウトで重量約5.2kgと、純正マフラー比で約75%/約15kgの軽量化ができる。サイレンサー色は写真のチタンブラックのほか、チタンヒートカラー、チタンソリッドを用意する。
スイングアームはパワーディメンションタイプのスタビライザー付き「G-STRIKER スイングアーム パワーディメンションType-S(スタビ付き)」(27万2800円)。トリプルスクエア(異型目の字断面)の7N01材を本体に使う。標準は写真のようにバフ仕様だが、オプションで半艶ブラック仕上げ(+5万5000円)のオーダーもできる。純正キャリパー/サポートは使用不可。'22〜Hayabusa用として作られているが、'08〜の2型にも適合。
ステップは「STRIKER Sports Touring concept“STC”STEP KIT」(6万3800円)の'22年〜Hayabusa用。街乗り、ツーリングから峠などでの使用に合わせて、足裏の接地部を面で捉えて疲労を軽減する、スラッシュカットデザインのステップバーは純正比で0mm/0mm、0mm/10mm、10mm/5mm、15mm/15mm(すべてBACK/UP数値)の4ポジションが選べ、純正クイックシフターにも対応。カラーは写真のシルバーと、ブラックが設定される。
リヤシート部にはストライカー・サポートショップ、ストライカーワークス( https://www.striker-works.com/ )オリジナルの「ストライカーワークス オリジナルチタンカスタムグラブバー」(6万3800円)を装着。熟練の職人がチタンパイプを曲げ加工したオールハンドメイドの逸品。ひとつずつ焼け色も異なるため、入手すれば自分だけのオリジナルアイテムになり、愛車へのこだわりを主張できるのだ。
純正の樹脂製フェンダーに換えて使うフェンダーレスキットは、車体側とナンバープレートをつなぐメインステー部をジュラルミン削り出しとして、高級感あるサイドビューを演出する「STRIKER アルミビレットフェンダーレスキット」(4万2350円)。ナンバー装着角度は保安基準適合の40度で、荷掛けフックなども装着でき、LEDナンバー灯とリフレクターも標準装備されたキットだ。カラーは写真のゴールドと、ブラックを用意。
このストライカーHayabusaの外観上の大きな特徴でもある、綾織りドライカーボン製のウイングレット「STRIKERエアロデザイン“SAD”ウイングレット」(8万5800円)。法定速度内(サーキット走行など法規制外速度での使用は想定していない)でもダウンフォースを体感できる機能性や存在感は出しつつも、他のパーツの主張を邪魔しない絶妙の大きさもポイントだ。なお、装着時にはカウルへの穴開け/カット加工を要する。
第3世代Hayabusaの外観上のポイントのひとつでもあるモールパーツ。ユーザーの中にはこの印象を落ち着かせたいという声もあり、それを聞いて製品化したのがカーボンメーターサイドフラップとカーボンサイドカウルガーニッシュの2品。ミラーのそばに付くのが前者の「STRIKERエアロデザイン“SAD”カーボンメーターサイドフラップ」(3万1900円)。
カウルサイドのエアダクト部に付くめっき仕上げのガーニッシュに置き換えられるのが「STRIKERエアロデザイン“SAD”カーボンサイドカウルガーニッシュ」(5万4450円)。メーターサイドフラップともに、職人によるハンドメイドで、材料を一枚ものから切り出し、カーボン目の繋ぎ目のない仕上がり。車両の印象も大きく変わるドレスアップパーツだ。装着のための両面テープとプライマーも付属。公道向けアイテムで、サーキットなど法規速度外での使用は想定外なので注意を。写真中央に見えるのは「STRIKER ガードスライダー SUZUKI '22 Hayabusa」(1万4300円〜3万7400円)。
ストライカー・ブランドでは初となった、ドライカーボンを素材に使用したフロントフェンダー、「STRIKERエアロデザイン“SAD”エアロフロントフェンダー」(8万6900円)。第3世代Hayabusaにマッチする精緻なデザインと、ブレーキキャリパー部に風を送るキャリパークーラーダクトをフロントフェンダーに融合したデザインが特徴だ。
第3世代Hayabusa用パーツはほかにも続き、「STRIKERエアロデザイン“SAD” カーボンリアフェンダー」(カーボン:5万9400円 黒ゲル:3万8500円。写真は試作品)はこの車両撮影後の9月にデリバリーを開始。純正スイングアーム対応のリヤフェンダー/チェーン一体型カバーで、第3世代Hayabusa用に開発され、ここで紹介した他の第3世代Hayabusa用パーツ同様にジャストフィットする。