完成域のコンプリートを最新ホイールで強化する
低く、少し長めに構えてスマートさと迫力、よく走りそうな感じを見せるシングルシートスタイル。前後17インチもよく似合うローソンレプリカ=Z1000R。もう、ひと目見てブルドックのコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)と分かる1台だ。
足まわりに目を移すと、ラヴォランテ・スフィダーレホイールが存在感を放つ。独自のリブ入りスポークによるスターフォルムデザインやマグホイールに匹敵するほどの軽さをアルミで実現した最新鍛造ホイール。そうなるとこの車両は最近の作かと思えるが、違っていた。
「この車両はかなり前に作ったものなんですよ。長く乗ってもらっていて、今回(’23年秋)は前後ホイールを新たにそのスフィダーレに履き替えたんです。あと燃料タンクもアルミ製に換えて、色を塗り直しています。エンジンは1200cc仕様。製作当時の選択としてコスワースですが、鍛造ピストンを使っています。カムはヨシムラでST-2なんですが、これは“POP Y”文字が刻印されたビンテージです。後軸で130PS出ていて、速いですよ」
ブルドック・和久井さんの説明は明快だ。ちなみにPOP Y刻印はヨシムラのオヤジさん=秀雄さん(同社創立者にして初代代表)が設計したもの。それが今現役で使われているのにも魅力を感じる。
早い段階で確立したGT-Mらしいスタイル=凄いカスタムだと分かる見栄えに、しっかりした17インチ用の車体。それに大排気量でトルクを生かしつつスムーズさも持たせるといったエンジン仕様は、今見ても上々の作り。
いずれのパートも、そして全体も、製作された段階で完成域にありながら、それがまったく古さを感じさせなかった、いや、むしろ新しい印象のままに今に至っているのだと言っていいだろう。それに最新スペックのホイールを組み合わせて、また進化する。このローソンレプリカには17インチZ、コンプリートカスタムの新しい魅力も見せてもらったような気さえするのだ。
Detailed Description詳細説明
ビキニカウルやスクリーンなどの外装はマッコイ・ブランドで、ミラーはマジカルレーシングNK-1ミラー・タイプ1ヘッドをセットする。
17インチに適したマッコイ正立φ43mm用ステムキットにはセパレートハンドルを装着、左右マスターはブレンボレーシング。メーターもスタックST200(左/エンジン回転計)/ST3000(右/燃料量表示)、モトガジェット・モトスコープミニ(右下/速度や積算距離等を表示)、ヨシムラ・デジタルマルチメーターなどで構成している。
今回、燃料タンクをマッコイ・アルミに換装。軽量化に効きサビの心配もないなど利点は多い。
タンデム相当部分をシルバーカーボン仕立てしたシングルシートカウルはマッコイで、シートはマッコイ・スプリーム。リヤウインカーはナンバーホルダーサイドにマウントされた。
BULL DOCKの刻印が入るステップは今のマッコイステップとほぼ同じ形状だ。オフセットスプロケットアウトボードキットも装着。
エンジンはコスワースφ76mm鍛造ピストンで1200cc化、ヘッドバイパスやアクティブ・ラウンドクーラーも備える。カムはヨシムラST-2のPOP Y刻印入り。フロントウインカーはオイルクーラーサイドにセットされる。
キャブレターはFCRφ39mmで排気系はフルチタン4-1(内部4-2-1)のWin Mccoyフルエキゾーストを組み合わせた。
フロントフォークはオーリンズ正立φ43mmでカーボンフェンダーはマッコイ。フロントブレーキはブレンボGP4キャリパー+サンスター・OMEGAディスクの組み合わせだ。
リヤブレーキはブレンボCNC 2Pキャリパー+マッコイ×サンスターディスク。ホイールは今回最新のラヴォランテ・スフィダーレに履き替えた。サイズは3.50-17/6.00-17。
アルミスイングアームはマッコイでオーリンズ・グランド・ツインリヤショックを組み合わせる。タイヤはブリヂストンRS11で120/70ZR17・200/55ZR17という最新サイズを履き、ドライブチェーンもRKの520XWR2とする。