柔軟な姿勢が見せる車両への明確な作り
’17年末の発売から既に5年。’24年モデルでの新カラー2色設定やイエローボールエディションの追加など、高い人気の中で、それをさらにうまく生かすような展開を見せるカワサキZ900RS。当然のようにカスタム車両やカスタムパーツも多く現れている。
この’20年型純正のエボニー×ヴィンテージライムグリーン×エボニーカラーをまとった0024ワークス製Z900RSは、そんな多くのZ900RS用パーツ群やスタイルから、何を拾い上げてまとめていくかの参考になりそうだ。
「この車両はヨシムラと、ブラック。そのふたつのイメージでまとめたものです。ショート管、ラジエーターコアガードやウインドアーマアーマー(スクリーン)がヨシムラ製で、それぞれのパーツカラーはマットブラックを選んでいます」(0024ワークス・大西さん)。
ホイールは同店で使用率の高いマルケジーニではなく、O・Zレーシング。ヨシムラのガンメタリックに近いカラーで選ばせてもらいましたと大西さんは続けるが、確かにその通り。このあたり、大西さんのZ900RSへのパーツ選択眼(細かいカラー設定や、オーダーカラーにも及ぶ)が光るというか、すごい精通ぶりだ。
同店では大西さんが打ち立てた基本スタイル=アメリカンドリーム製ハーフカウルキットを0024オリジナルステーでやや低めにマウントし、アメリカンドリーム・ネオショートマフラーやマルケジーニ・鍛造ホイールなどを備え、リヤに200サイズタイヤを履く車両をひとつの定番としているが、この車両のように別のスタイルもきっちりと成立させる点がいい。
冒頭に述べた「高い人気の中でそれをうまく生かす」は、変化がなくて飽きるのでもなく、変化が大き過ぎたりして少し疲れるのでもない、現状と少し先までに対してのちょうどいい変化のさじ加減と言い換えるのがいいだろう。この車両は、そんなさじ加減を絶妙にして楽しさを増した好例だ。
Z900RSの魅力は、このようにして各車両やショップの力でもより高められている。そう思わせてくれる仕上がりでもあるのだ。
Detailed Description詳細説明
ハンドルは純正のバーからハリケーン・セパレートハンドルTYPE1(CAFE用)に変更。ライザーを外したトップブリッジには0024ワークス製トップブリッジカバーを装着する。メーターは白パネル化し純正フロントマスター/クラッチホルダーには調整式レバーをセット。ウインカーも小ぶりなものに変更する。
シートはタックロール、外装ではテールカウルをロング化してZ2テールライトもマウントしてすっとした印象を作り出した。
発注時にカラーオーダーが可能なリンクプレート(写真、国産アルミ削り出し)は0024ワークス製で、ここではグリーンをオーダーして装着。
ステップは車両コンセプトに沿ってヨシムラX-TREADを選択。フレームプラグは0024ワークス製でこちらもカラーオーダーによってグリーン(0024/WORKSロゴはレーザー刻印)とした。
948ccの水冷4気筒エンジンやFIまわり、鋼管トレリスフレームは純正で、ラジエーターにはヨシムラ製コアプロテクターを装着する。
フレームサイドにはオーヴァーレーシングのサブフレームを備えてルックスアクセントにもする。排気系はヨシムラ手曲げストレートサイクロンだ。
φ41mmの倒立フォークやフロントブレーキキャリパーは純正。フロントディスクはサンスター・プレミアムレーシングディスク。
リヤブレーキも純正キャリパー(片押し1ピストン)にサンスター・トラッドディスクの組み合わせだ。
スイングアームは純正で、リヤショックはオーリンズ・ブラックラインを車体に溶け込ませる。ホイールはO・Zレーシングのアルミ鍛造、GASS RS-Aでリヤが1サイズ太い3.50-17/6.00-17。タイヤは他の0024製Z900RSの多くに同じ200幅を履く。ドライブチェーンはEK 525SRX2を装着する。