実際のコンプリート車両見本としての役割も果たす
ひと目見ればハイスペックカスタム、それが自然な形でまとめ上げたものだと分かるZ1-R。ブルドックのコンプリートカスタム、GT-M(Genuine Tuning Machine)によることも明白だ。ただ、成り立ちに独自性がある。
「この車両は、GT-Mのメンテナンスサービスショップのひとつ、RP-FREEさんからのオーダーなんです。メンテナンスサービスショップは全国で数十店から協力いただいていて、遠方のGT-Mオーナーさんが車検やオイル交換などを行う際に近くで相談できるプロショップさん。RP-FREEさんは九州・長崎にあって、〝お店でも扱うのだから、1台くらいは見本があった方がいい〟とオーダーしてくださって、製作に至ったんです」とブルドック・和久井さん。
仕上がった車両はもちろん店内展示だけでなく、普通にツーリングや走りにも使われているとのこと。気になるスペックも教えてもらおう。
「エンジンは腰上をJ系にコンバートしてST-L1カムを組み、ヘッドバイパスも追加しています。ピスタルレーシングφ78mm鍛造ピストンで1260cc、マッコイ6速クロスミッションにマッコイ・ギヤ式オイルポンプも組んであります」
なるほど、GT-Mのフルメニューという内容だ。デュアルスタックファンネル仕様のTMR-MJNキャブレターやオイルクーラーサイド、ナンバーホルダーサイドにマウントされたウインカー、きっちりした17インチディメンションのフレーム。そして最新アルミ鍛造のラヴォランテ・スフィダーレホイールと、細かく見ていくと、あることに気がつく。
GT-Mの見本、すなわち常に最先端の手法やパーツをテストし続ける和久井さんのGT-M001に準じた仕様になっているということだ。オーダーもその通り、GT-M001の雰囲気で作りたいというものだったとのことで、これは見本になるよう選ぶにも最適な選択だろう。
納車後には地元長崎のバイクイベントでも展示され、この車両を見ての一般オーダーも複数入ったという。いい車両の魅力を知り、伝えるを形にしていった、とてもいい1台となったわけだ。
Detailed Description詳細説明
Z1-Rのスタイルをシャープにするビキニカウルはマッコイ・ブランド。ミラーはマジカルレーシングNK-1ミラーのタイプ1ヘッドをマウントする。
ワンオフメーターパネルには回転計/速度計/距離計などの機能を持つスタックST700SRに同ST3315燃料計をコンビネーション。マッコイステムの上にはハイパープロ・ステダンも置かれる。ハンドルはマッコイ・セパレート、左右マスターはブレンボRCSだ。
パールホワイトにターコイズブルーのピンストライプで仕上げられたアルミタンクほか外装類はいずれもマッコイで、GT-M・Z1-Rらしいスマートな姿を作る。
シングルシートカウルもマッコイで、しっかり居住性を高め、乗り心地も確保するライダー側シートはマッコイ・スプリーム。
エンジンは腰上をZ1000J系にコンバートした上でオイルバイパスを加え、ヨシムラST-L1カムをセット。ピスタルレーシングφ78mm鍛造ピストンで1260cc化するとともにマッコイ6速クロスミッションなども組むほぼフルメニュー仕様。フロントウインカーはオイルクーラーサイドにマウントされ、すっきりした全体感に寄与する。
キャブレターはTMR-MJNφ36mmをヨシムラ・デュアルスタックファンネル仕様でセットする。ヘッドへのオイルバイパスもよく分かるだろう。
17インチワイドタイヤに適正なチェーンラインが得られるマッコイ・オフセットスプロケット・アウトボードキットも組まれている。
フロントフォークはマッコイ×ナイトロンで、フロントブレーキはブレンボGP4-RXキャリパーをウイリーサポートでマウントしマッコイ×サンスターディスクを組み合わせる。フロントフェンダーにもマッコイ・カーボンを使う。
フルチタン4-1(内部4-2-1)の排気系はWin Mccoy。リヤブレーキはブレンボGP2-SSキャリパー+マッコイ×サンスターディスクだ。
リヤショックはマッコイ×ナイトロンでスイングアームはマッコイ。ホイールはアルミ鍛造で超軽量・高強度のラヴォランテ・スフィダーレで、サイズは純正の前後2.15-18に対して3.50-17/6.00-17となる。