独自感も得るとともに機能も加えられる塗装
FB純正カラーで外観をきれいに仕立てるとともに、そのカラーとも違和感のないデザインのPMCソード・アルミ鍛造ホイールで前後18インチ化を図ったCB750FB。TTRモータースが手がけた1台だ。どんな仕様か、同店・林さんに聞いていこう。
「車体側の仕立てはその通りで、純正リフレッシュも行いながら19/18から前後18インチ化してリヤサス交換、セッティングを行っています。吸排気系は当店では多くやっているCB1300SFキャブレターの流用に、SSPファクトリーさんのショートタイプマフラーの組み合わせ。エンジンはワイセコ鍛造ピストンで823ccにしています」
TTRでのCB-Fではオーソドックスとも取れる内容。でもその中に、TTRらしいプラス要素が加えられていた。シリンダーやシリンダーヘッド、クランクケースの色が純正と少し異なるのに気がついた人もいるだろう。
「塗装仕上げしているんです。ガンコート。排気量を上げて熱も増えるので、できれば放熱性も高めたい。そんな機能を持たせられます。このエンジンはブラッククロームという名前の色で塗っています。エンジンというとシルバーかブラック仕上げしかないものと思われがちですけど、色を選んで雰囲気を変えることもできます。
当店では“特注ぽくするならどうですか?”という感じで勧めていますが、ちょっと差を付けるのにいいかなと思います」と林さん。
この車両で選んだブラッククロームはその機能に、ブラックのシブさと、単に黒にした時の重さを少し軽くするようなイメージも加えられている。TTRではこのガンコートのような機能塗装も自社で行うから、色も選びやすいし、調色も行ってくれる。
「色見本もありますし、色合わせの相談も細かくしますから、変な選択にはならないと思います」とのこと。もうひとつ、フロントフェンダーは同店製CB1100R(CB1100Rは前後18インチ標準)リプロ品が組まれ、フロント18インチに合わせられていた。こうした芸の細かさにも、ぜひ注目したい。
Detailed Description詳細説明
ベースは'81年型FBで、ステムやセパレートアップのハンドルはノーマル。フロントマスターはニッシンの横置きタイプに変更している。メーターもノーマルでヨシムラ・デジタルマルチメーターを追加した。
ステップもCB-Fノーマルだが、ステップラバーを新品に交換しているのはルックスの点でも、機能維持の点でも好ましい。
FB純正レッドの外装やウインカーもノーマルだが、きれいに仕上げられてCB-Fらしさをきっちりキープする。
空冷DOHC4バルブ直4のエンジンはワイセコφ65mmピストンで823cc化される。その上でシリンダーとシリンダーヘッド、クランクケースはTTRでブラッククロームにガンコート塗装している。耐候性も高まり、放熱性も高まるとしてお勧めともいう。ヘッドカバーや左右のカバー類は純正のアルミ地(クリア仕上げ)を生かしている。
キャブレターはCB1300SFを流用した上でセッティングし、パワーフィルター仕様で装着。今なら純正VB型の洗浄→キースター製インナーパーツで純正復調も可能という(TTRへ問い合わせを)。
ホイールは2.15-19/2.15-18サイズの裏コムスターから3.00-18/4.25-18サイズのソード・エボリューションに換装。合わせてフロントフェンダーを18インチに合うTTR製リプロのCB1100R用に変更してすっきりした装着感も作り出している。フロントフォークはφ35mmのFB純正、ブレーキキャリパー/ディスクも純正だ。
リヤブレーキまわりもCB-F純正のまま。TTRの機能塗装はブレーキキャリパーなどにも施せるという。マフラーはSSPファクトリー製ショート管を装着。
リヤサスペンションはオーリンズ・グランド・ツインに純正のスチール丸パイプスイングアームを組み合わせる。ドライブチェーンはRKの530RXWを使う。