取り回しなどへの可能性も想定してミニマル&シンプル化
「しばらくツーリングに2気筒車を使ってたんですけど、途中で一緒に来てる4気筒車に乗り換えてみると、やっぱりいい。なのでツーリング目的がひとつ。あとひとつはハヤブサ、現行モデルの取り回しが重いので、“とにかく軽くて取り回しがいい”を目標にして作ってみたんですよ。軽いハヤブサは良いはずって(笑)」
ブライトロジック・竹中さんが車両コンセプトを説明するこの車両。ベースはもちろん4気筒で、第2世代ハヤブサが選ばれた。
「いろいろ付いているものを外せば軽いわけですから、タンク以外の外装は外して、フロントからつながるエアダクトはカット。マフラーもサイレンサー部分を作り直した左右出しです。シートはライダー側のみで作って、タンデム側は使わないから、シートの代わりに上面がフラットな積載スペースになって中にETC車載器などが入るボックスを作りました。合わせてシートレールもカットして作り直ししています。装備で190kgくらいになっているでしょう」
ノーマル車両は装備重量で250kg弱。そこからなんと1/4くらいの軽量化がされたことになる。
「狙い通りでカウルがない分スリムになって取り回しも良くなりました。でも接地感もしっかりあってと、ハヤブサらしいいいところはちゃんと残りました。むしろ面倒だったのはネイキッドにするための処理かな。電気系とかその配線とか、カウルの中にあったものが全部外に出てきてしまいますから、その辺もきちんと処理しないといけないし」
その配線類はタンク下へまとめ、元のカウルとタンク間の空間やテールカウルサイドに出来たスペースもカバーを作って違和感なく処理していき、このネイキッドスタイルが完成した。
「さすがに197psに190kgだとフロントにスクリーンがないと風圧が大変ですから、少し大きいスクリーンを用意して、ステーも3Dスタイルで作って付けました」と、ネイキッド化でのネガにも対応しているのは、重量バランス等でも同じ。ヘッドライトサイズも細かく検討し、リヤインナーフェンダー追加と合わせてルックスのバランスを取るなど細かく配慮している。こうして作られたネイキッドハヤブサ。ツーリングでもその威力を存分に発揮するのは間違いなしだ。
Detailed Description詳細説明
プーチのBMW用スクリーンをワンオフ3Dスタイルのステーでマウントし、防風効果を得る。ヘッドライトは一般的ネイキッド用より小ぶりでかつ明るいというCB650用LED。左右マスターシリンダーはブライトロジックでハヤブサに必須というブレンボのレーシングに変更している。フレームを貫通するエアダクトはカットした上でネットを張った。
ハンドルはアクティブ・ファナティックバーでメーターは小型のGSX-R1000K1純正を使う。USB電源ポートやRAMマウントも備える。
燃料タンクは21リットル容量の純正で、後部にクレバーウルフ製タンクプロテクターを追加。カウルを外したことでタンクとフレーム間に出来た隙間はこのように樹脂カバーを作って純正のように塞いでいる。
テールランプも薄型ながら被視認性を優先したサイズと明るさのものが選ばれている。ライダー側のみのシートはマルナオ製で、シートサイドの隙間はパンチングプレートで塞いでいる。タンデム側はシートレールも作り直した上で、ETC車載器等を収めるボックスを装着した。
フラットに仕上げられたタンデム側ボックスの上面はバッグ装着スペースで、むしろ写真のようなバッグ装着時が標準仕様と竹中さん。
1340ccの4気筒エンジンおよびアルミツインスパーフレームはハヤブサ純正で、カウルを外して出てしまう配線や補機類を隠す処理を行った。
フロントフォークは純正φ43mm倒立でフロントフェンダーはマジカルレーシング・カーボン。フロントブレーキはハヤブサ純正ブレンボキャリパーのパッドをアフターのブレンボ製に変更、ディスクは純正を使う。
リヤブレーキはブレンボP2-RS84キャリパーをアクティブサポートでマウントして純正ディスクに組み合わせる。ステップはARASHI製ベースにブライトロジックでフルアレンジした上で再構築したものだ。
スイングアームや前後ホイール(3.50-17/6.00-17サイズ)はノーマルでリヤショックはショーワのレーシング、リヤフェンダーはマジカルレーシング製を装着している。